私がお伝えしたいのは「新しい刑罰「拘禁刑」」です。
改正刑法がきのう成立し、懲役刑と禁錮刑を一本化した「拘禁刑」が新たに創設されることになりました。
拘禁刑では刑務作業が義務ではなくなり受刑者の犯罪歴ごとに更生プログラムを組んだり、高齢受刑者には認知症予防のトレーニングも検討されています。
ポイントはこちら。「受刑者に応じた刑罰で更生を」注目です!
【注目ポイント・記者解説】
参院本会議で13日に改正刑法が可決、成立しました。
改正刑法では、刑務所などに収容する刑罰のうち刑務作業の義務がある「懲役刑」と、義務がない「禁錮刑」を廃止して、「拘禁刑」を新たに創設して一本化します。
刑罰の種類が見直されるのは、1907年の刑法制定以降初めてです。
この改正の一番のポイントは、刑務所での「更生」にあります。
「拘禁刑」では、これまで懲役刑で科していた刑務作業だけではなく、受刑者の年齢、特性などにより再犯防止に向けて幅広く更生プログラムなどを組むことが出来るようになります。
例えば、被害者から聞き取った被害に遭った時の感情や気持ちを受刑者に伝えて罪を犯してはいけない理由を改めて認識してもらうなど、刑務所内の生活で自身が犯した罪と向き合って過ごしてもらうように、矯正教育や指導にも時間を割くことができます。
法務省はこのほかにも、身体機能が衰えた高齢の受刑者にはリハビリや認知症予防のトレーニングを行うほか、若い受刑者には就職や生活に必要な知識や学力を身につけてもらうなど、出所後の生活を立て直しやすくするプログラムも検討しているということです。
(フジテレビ社会部 長谷川菜奈)