都民が都内を旅行する際に補助が出る「もっとTokyo」。週末、都内各地ではにぎわいもみせましたが、取材すると聞こえてきたのは、「予約が取れない」「知らなかった」などの「不公平だ」という声。

6月10日に再開され、都内観光の促進が期待される中、一体何があったのでしょうか。

すぐ電話したが…宿泊割引に予約殺到

10日に再開した直後、「もっとTokyo」の予約サイトはアクセスが集中しつながりにくい状態に。さらに…。

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ディレクター:
こちらの旅行サイトのホテルのページ、アクセスが集中しているため、オンライン予約が
繋がりにくい状態となっています

都民割を取り扱う旅行会社のホームページでも同様の事態が発生しました。都民割を使って日帰りツアーを提供する「はとバス」のコールセンターでは…。

東京タワーや東京湾クルーズを楽しむコースと、クルーズで夕食を楽しみながら東京スカイツリーで夜景を満喫する2種類のコースを用意していますが、受付開始から予約の電話が殺到。オペレーターが一斉に対応し、争奪戦の様相に。いずれも、即日完売となりました。

こうした状況に都民からは、希望の予約が取れなかったという声が聞かれました。

20代女性:
発表されたときにすぐ電話かけてもらったんですけど、埋まっちゃってて、とれなかったです。残念でした。ぜひ使いたかったんですけど…。

30代夫婦:
買えなかったです、売り切れちゃいました。もっと枠を増やして欲しかったなと思って。残念でした。

専門家「今回はあくまでトライアル」

航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは、次のように指摘します。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん:
今回の都民割は、取れればすごい注目だといえると思います。2年前に「もっとTokyo」を実施した時には40万泊分。今回はトライアルということもあって、7月末までに25万泊分の設定になります。前回も即日完売だったということも含め、取りたい人がほとんど取れないと。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん:
発売のタイミングでインターネットや電話を上手に活用した人たちが取れていると。そこに限定されているという課題はありましたが、今回も同様のこと、寧ろそれ以上のことが起こっていると思います。

プラチナチケットの様相を呈す「都民割」。予約が取れないとの声が出ていますが、完全に予約は埋まってしまったのでしょうか。

まだ予約が取れる可能性も…

10日からはじまった都民割「もっとTokyo」ですが、今回、販売されたのは約25万泊分です。航空・旅行アナリストの鳥海さんによると、「まだ販売準備中の旅行代理店が多い」といい、例えば、じゃらん、一休、JTBなど大手旅行代理店はこれから発売となります。

さらに、この代理店というのは宿泊枠を持っているので、一度完売した人気ホテルが残っている可能性もあるといいます。

そして、すでに完売したホテルが再販する可能性もあるといい、枠をいつ販売するかはホテルの裁量なので、ホテルが予約を小出しにしている可能性があるため、予約サイトをこまめにチェックすることが大事とのこと。

ただその一方で、都民の都内観光の促進に繋げるという目的を持って再開した今回の都民割りに、不満の声も上がっています。

20代:
宿泊したいホテルがすぐに予約で埋まり残念。

30代:
自分から情報を取りに行く人しか、この割引のことを知らない。

30代:
売り切れで購入できず、もっと枠を増やして欲しかった。

こういった声を踏まえ、都民割の問題点について、航空・旅行アナリストの鳥海さんは3つの指摘をしています。

宿泊分の追加はある? 3つの問題点とは

1つ目の問題点は「発売再開を伝える周知期間が短い」こと。気づいた時にはもう予約が開始していて、すでに埋まってしまっていた。2つ目は「金曜日の正午に予約開始」。働いている人は予約が難しい時間帯に設定されています。

そして、3つ目は「1人5泊の上限のみ、回数制限がない」こと。1人が複数の予約を取ってしまったということが実際にあったといいます。

不公平という声の上がっている「都民割」。宿泊分の追加はあるのでしょうか。東京都の小池都知事はこのように話しています。

感染状況など、これからの推移を見ながら考えるとし、ワクチン接種の促進、都内観光の社会経済活動の促進、両面で状況を見極めながら今後の状況を考えるとしています。

(「めざまし8」6月13日放送)