埼玉県ふじみ野市の住宅で医師が散弾銃で殺害された立てこもり事件で、逮捕された66歳の男が別の医療相談員に向けて発砲し、殺害しようとした疑いで再逮捕されました。
渡辺宏容疑者はことし1月、ふじみ野市の自宅で、医療相談員の男性に向け発砲し、殺害しようとした殺人未遂の疑いや、銃を取り上げた別の医療相談員の男性の顔面に催涙スプレーを吹きつけケガを負わせた傷害の疑いなどで再逮捕されました。
渡辺容疑者は、事件の前日に渡辺容疑者の母親の死亡確認をした主治医の鈴木純一さんや、クリニックの関係者あわせて7人を「線香を上げに来い」などと呼び出し、自宅を訪問した鈴木さんらに次々と散弾銃を発射し鈴木さんを殺害したほか、理学療法士の男性を殺害しようとした疑いがもたれています。
発砲の直前に渡辺容疑者は、前日に死亡した母親の遺体を前に、「生き返るかもしれない」と鈴木さんに蘇生措置をするよう要求していました。
その後、渡辺容疑者は11時間にわたり自宅に立てこもり、突入した捜査員に逮捕されました。
渡辺容疑者については、犯行当時の精神状態などを調べる鑑定留置がことし3月から行われていましたが、今月2日に終了していました。
逮捕は今回で3回目で、調べに対して、渡辺容疑者は、傷害容疑については認める一方、「殺意はありません」と殺人未遂容疑については否認しています。