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5月31日夜、名古屋市西区で自転車の男性がはねられ死亡した事故で、車を運転していた高校教師の男は、スマホでゲームをしていたと供述している。

なくならない「ながら運転」の事故。6年前の2016年に子どもを失った父親が、今の思いを語った。

便利な道具も使い方を間違えると凶器に…なくならない“ながら運転”

6月2日送検された、愛知の県立高校教師・伊藤啓介容疑者(44)。

5月31日夜、名古屋市西区児玉で、横断歩道を自転車で渡っていた中村区の会社員・高貝真也さん(55)を車ではねた過失運転致傷の現行犯で逮捕された。

リポート:
現場となった交差点です。逮捕された男は右手から来た自転車をはねました。交通量はかなり多いですが、道は開けていて見通しは悪くありません

高貝さんは病院に運ばれたが、頭などを強く打ち、まもなく死亡。

その後の調べで伊藤容疑者は…

「ドラゴンクエストウォークを使用していた」

ドラゴンクエストウォークとは、位置情報を利用したスマートフォンのゲームアプリ。歩きながら遭遇したモンスターと戦っていくゲームだが、「ながら運転」を防ぐために時速20キロ以上になると一部の機能が使えないようになっている。

しかし、その後の捜査関係者への取材で、衝突した地点より前にブレーキの跡はなかったことが新たにわかった。

近隣の住民:
(男性の声で)バカヤローって言って(直後に)ドンってという(音がした)。3階にいて窓開けたら聞こえたんですよね。(はねられた人は)倒れて横たわっている感じだった。(伊藤容疑者は)真面目そうな感じの、悪そうな人ではない

スマホゲームによる"ながら運転”は過去にも…。

愛知・一宮市の則竹崇智さん(51)。6年前の2016年、トラックにはねられ、息子の敬太くん(当時9)を亡くした。

運転していた男は「ポケモンGO」をしていた。

息子を亡くした後、則竹さんは"ながら運転”の危険性を訴え続けている。

則竹崇智さん:
非常に残念で仕方がないですね。厳罰化施行されて、当時はインパクトもあって、かなり減ったと思うんですね

スマートフォンの普及に伴う事故の増加で、2019年に道路交通法が改正され「ながら運転」が厳罰化。反則金や違反点数が従来の約3倍に引き上げられるなどし、事故件数は次の年には半数ほどに減ったが…

則竹崇智さん:
停車するとスマートフォンを見たりするっていう姿を多く見かける。「これくらいのスピードだったら大丈夫」「今まで危ないって思ったことない」という心の隙間に、事故っていうのが起きてくる

またしても尊い命が奪われてしまった今回の事故。則竹さんは改めて訴えた。

則竹崇智さん:
ながら運転は殺人行為に等しいんだと。やはり手元にあると使ってしまう。スマートフォンはかばんにしまって、手の届かない位置に置く。便利な道具も使い方を間違えると凶器になってしまうっていうことを、一人一人が意識をして行動すれば、事故はなくなると私は思っています

(東海テレビ)