7月3日、東京都内にある「いとう王子神谷内科外科クリニック」。

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ここで撮影された映像には、発熱などを訴える人から次々と「受診したい」と電話がかかってくる様子が収められている。

スタッフ:
急で申し訳ないんですが、9時の枠を今お取りしましたので

さらにこんな事態も…

スタッフ:
検査キットが1個しかないです

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道 院長:
1人分?1箱(25セット)じゃなくて?えー急に(感染者が)増えたから間に合わなかった

検査キットが不足した原因は、新型コロナウィルスの新規感染者数の急増だ。

感染者急増…約2か月ぶり4万5000人超 東京は前週比で2倍以上に

7月6日水曜日に東京都で確認された新規感染者は8341人で、約3カ月ぶりに8000人を超えた。前週の水曜日と比べて4538人増え、2倍以上になった。19日連続で前の週の同じ曜日を上回っている。

鳥取県では過去最多の215人となったほか、全国では4万5821人の新規感染者が確認され、5月11日以来の4万5000人超えとなった。

免疫をすり抜ける「BA.5」への移行

この“第7波”への警戒が高まる事態に、取材した「いとう王子神谷内科外科クリニック」の伊藤院長は「BA.2からBA.5へ置き換わりも進んでいます。それが感染者数の増加に関与している可能性は高いと思う」と話す。
感染急拡大の背景として、オミクロン株の「BA.2」より1.2倍ほど感染力が強いとされている「BA.5」への置き換わりが進んでいる可能性が挙げられるというのだ。

「BA.5」は、過去の感染やワクチン接種で獲得した免疫をすり抜ける力が特徴で、東京都では現在、感染者の4人に1人がこの「BA.5」だという。

そして、最近の陽性者の傾向を聞くと…

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道 院長:
会社の食堂で食べていた人が陽性だった。パーティションがあるから濃厚接触扱いにはならなかったが、結果的に感染していたケースもある。(発症までの)潜伏期間も短くなっているのではないか

その一方で、重症化率に関しては…

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道 院長:
BA.5の重症化率は、最終結論ではないが、おそらくそんなに高くないと推測される

7月5日時点の、全国の重症者は68人。2022年2月がピークとなった「第6波」の時と比べると現時点では低い水準にとどまっている。

(「めざましテレビ」7月7日放送より)