北京オリンピックの金メダリストをはじめ、日本スポーツ界に多くの名選手を送り出す、スポーツ名門校。

5月29日放送の「ジャンクSPORTS」3時間スペシャル(フジテレビ系)では、その名門校の強さの秘密を探った。

スタジオには、新潟県・開志国際高校出身の平野海祝選手、冨田せな選手、岐阜県・岐阜第一高校出身の堀島行真選手。

大阪府・近畿大学出身の古川高晴選手、東京都・帝京大学出身の尾﨑晟也選手、里崎智也さん、山梨県・山梨学院大学出身の真也加ステファンさんが登場した。

平野兄弟、冨田姉妹を育てた高校とは?

北京オリンピック・スノーボードハーフパイプで人類史上最高難度の技を決め、日本人初の金メダルに輝いた平野歩夢選手、高さ7.4メートルのエアで世界を驚かせた弟・平野海祝選手。

日本女子として初のメダルを獲得した冨田せな選手、5位入賞を果たした妹・冨田るき選手など、北京オリンピックに4人の選手を送り出した新潟県にある開志国際高校。

この記事の画像(10枚)

校舎は緑に囲まれ、窓からは雄大な山々を望む大自然の中のキャンパス。2014年に設立された新設校だが、数多くのトップアスリートを輩出。海外からの留学生も多く、世界十カ国から約80人の留学生を受け入れるなど、国際交流も盛んな高校。

4人のオリンピアンを生み出したスノーボード部は、日本最大級の高さ15メートル、全長60メートルの巨大ジャンプ台で日々、猛練習。エアマットに着地するため、けがの心配もなく、一年中ジャンプの技を磨ける。

さらに、日本最大級のスノーボードコースを誇る村上市スケートパークで、スケートボードの練習も取り入れている。

このスケートボードのコーチは平野3兄弟の一番上の兄、平野英樹さん。スノーボード部のヘッドコーチは平野兄弟の父・英功さんが務めている。

競技に集中するためのベストな環境が整っていることに驚きを隠せない番組MCの浜田雅功さん。海祝選手は「毎日、つらくなるほどやっています」と苦笑する。

るき選手は「学校の裏にスケートボードの(練習用)ランプを作ってもらった」と、学校に要望して新たな練習場所を整備してもらったと明かす。

また冨田姉妹も暮らした寮には、かつて共学ならではの設備があったようで、「(男女は)分かれているんですけど、真ん中にコミュニティールームという部屋があって、男女一緒にテレビを見たり、勉強したり、友達と一緒にいたり、カップルがいたらイチャイチャしていたり…」とフランクに過ごしていたと明かした。

堀島行真の青春の味と苦い思い出

北京オリンピック、日本勢第一号メダリストとなった堀島行真選手、日本人女子で史上最年少メダリストとなった村瀬心椛選手など若きメダリストを生んだ、ウィンタースポーツの名門・岐阜第一高校。

村瀬選手は現在もここに通っている、現役女子高生。取材に訪れた日は、海外遠征中だったが、スキー部にはこの春に入学した心椛選手の妹・由徠選手も所属。

姉・心椛選手と同じスノーボードの選手で、去年ジュニアの世界選手権で優勝するなど、将来の活躍が期待されている。

この強豪スキー部をはじめ、多くの生徒は敷地内の寮で暮らしている。4年前にできた女子寮は、8畳の部屋に机付きベッドが4つ置かれた4人部屋。他にも、生徒たちが集まったり、勉強したりするミーティングルームや広々とした大浴場も。

この日、スキー部の名将・大場順二総監督から「3日前に電話が来て」呼び出されたという堀島選手は、久しぶりの母校へ。

校内を歩くと遠くからでも「こんにちは!」と挨拶を欠かさないのが、運動部の伝統。しかし、堀島選手はこの挨拶で苦い思い出があるようで、「覇気がないと言われて。壁に背を向けて、みなさんが通ったら『こんにちは!』。人が通ってなくても挨拶練習なので夕方だけど『おはようございます!』」と長いときには1時間近く練習していたと振り返った。

さらに、地元のお店が校内に売りに来るパンの中でも、堀島選手がお気に入りだったというパンにも再会。焼きそばパンに唐揚げが入った“青春の味”も堪能した。

同じウィンタースポーツの強豪校である開志国際高校での挨拶を海祝選手は「『ういっす』みたいな…」と先輩であっても、「ういっす」が挨拶だという海祝選手に浜田さんは「あかん!」と即座にツッコむ。

緩い挨拶の理由を海祝選手は「そこに集まっている子たちは昔から知っている子たちで、大会も一緒に回っていたので、学校で集まると先輩・後輩という関係じゃない」と話し、先輩である冨田姉妹を海祝選手は「るきは“るき”、せなちゃんは“せなちゃん”と呼んでいます」と明かす。せな選手も「ルールもないのでそれが普通でした」と頷いた。

「“昭和世代”としては違和感しかない」と眉をひそめる里崎さんは「1年生は“はい”と“いいえ”しかない。“いいえ”はないんですけどね」と話すと、浜田さんも「“いいえ”なんかあるわけないよな!」と強く共感。

続けて、「2年生になって初めて人間になって。3、4年生になると神様」と話す里崎さんに「一緒やー!」と共鳴する浜田さん。

“上級生”が仕事をする帝京大学ラグビー部

全国大学ラグビー選手権で前人未到の9連覇を達成した名門・帝京大学。その9連覇の中心にいたのが、2022年ラグビー日本代表候補の尾﨑晟也選手。

2015年、フジテレビが取材をした尾﨑選手が大学2年生の頃の映像には、上級生が練習の45分前に掃除をし、のんびりと練習場所に到着する下級生の姿があった。

帝京大学では、上級生がクラブハウスや寮の掃除、食事当番、試合会場の受付など雑務を行うのが決まり。下級生が純粋にラグビーに打ち込んで伸び伸びとプレーし、余裕のない下級生を上級生がサポートして、少しずつ育てることを目的としているという。

帝京大学ラグビー部は全寮制で、寮で食べる日々の食事にも強さの秘密があった。栄養士の指導のもと、栄養が徹底管理されている。その日のメニューに加えて、最低400グラムの白米、合計2200キロカロリーを1食で食べなければならない。

ご飯の量はごまかしができないよう、上級生の食事係が厳しくチェック。これで屈強な体をキープしているという。

ただ、上級生が“仕事をする”というシステムに切り替わったタイミングがあった。尾﨑選手は「僕が1年生の時に3年生だった、今の日本代表の坂手(淳史)先輩の年が1、2年生も仕事をして、3、4年生でも仕事をした代」だったようで、「文句はまぁ、少し言っていました」と苦笑した。

一方、里崎さん出身の帝京大学野球部は、当時と違い最新の寮に。里崎さんいわく「今、全国の大学野球部の寮で一番いいのが帝京大学の寮」と、洗濯機の数の多さや室内練習場なども完備されているそう。

「僕らの時とは大違い!」と話す里崎さんは「この寮で野球していたらメジャーリーガーになれてましたよ、それぐらい素晴らしいです」と強調した。

“伝説のランナー”の思い出の場所

山梨学院大学1年生の時、箱根駅伝「花の二区」で区間賞を獲得した真也加ステファンさん。

故郷のケニアから来日したきっかけを「山梨学院の先生が見学に来てみたら?と言ったので、それで来たらそのまま30年になりました」と明かす。

山梨学院大学は平泳ぎ女子日本記録を持つ、ロンドンオリンピック・銀メダリストの鈴木聡美選手や東京オリンピックで金メダルを獲得した柔道の濵田尚里選手、レスリングの乙黒拓斗選手など、世界的アスリートを輩出している。

中でも陸上部は出雲駅伝5連覇、箱根駅伝3回の総合優勝という偉業を誇り、真也加さんをはじめ、これまで11人のケニアからの留学生ランナーを育て上げた。

ケニアからはるばる日本にやってきた真也加さんはじめ、スポーツ部員はご飯食べ放題で麺は何玉食べても同じ値段、と特に優しくしてくれるのが、定食「山海楼」。基本的には取材お断りの店だが、この日は真也加さんが来るということで特別に取材させてくれた。

また陸上部・みさき寮は、真也加さんが暮らしていた当時のままの建物で、部屋も現役生が暮らしているという。6畳の部屋に2人暮らしで、各部屋にキッチンとユニットバスが付き、冷暖房も完備。

真也加さんもこの部屋で、日本語を早く覚えられるようにと日本人の同級生と暮らしていた。

現在、桜美林大学の監督を務めている真也加さんの活躍を、ケニアの家族は喜んでいるという。

古川高晴はコーチングをしない?

ロンドンオリンピック・競泳のメダリスト寺川綾さん、入江陵介選手、阪神タイガース・糸井嘉男選手、佐藤輝明選手といったプロ野球選手、大関・横綱まで上り詰めた力士たちに加えて、東京オリンピック・アーチェリーで団体、個人でメダル獲得という日本初の快挙を成し遂げた古川高晴選手を輩出するなど、数多くの一流スポーツ選手を育て上げた、関西のスポーツ強豪校・近畿大学。

今回は、近畿大学の職員である古川選手がその魅力を紹介してくれた。

洋弓部のコーチでもある古川選手。50人が一斉に打てる広さの練習場で、ナイター設備もあり、古川選手も毎日一緒に練習しているが、「コーチングは一切しない」のが古川コーチ流だという。

この日も部員には目もくれず、ひたすら矢を打ち続けていた古川選手。

「コーチングをしない」理由を浜田さんから聞かれると、古川選手は自分の感覚で学生たちに伝えても、思うように伝えられなかったり、悩みを解決できなかったりするからだという。

加えて、「僕が学生に教えるとしたら僕の感覚やレベルを1回、学生のレベルに落として話さないといけないので、それを繰り返すと僕の感覚も落ちる」ため、コーチングはしないという。

校風もルールも全く異なりながらも、日本や世界で活躍する選手を輩出するスポーツ名門校。そんな名門校から、これからどんな選手が生まれるのか期待したい。

(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)

記事 150 ジャンクSPORTS

MCの浜田雅功と、各界で活躍する一流のアスリートたちとのクロストークはもちろん、さまざまな新企画にも注目が集まる、スポーツバラエティー!