私がお伝えしたいのは、「粉ミルク不足で全米パニック」です。

アメリカでは粉ミルクメーカー最大手の製品で細菌感染が発覚し、工場が長期間閉鎖したため全米の4割が在庫切れという深刻な事態に。親たちのイライラは頂点に達し、バイデン大統領は軍用機まで動員して緊急輸入に踏み切りました。ポイントはこちら「”空飛ぶミルク作戦”の裏で支持率低下も」注目です。

注目ポイント・記者解説

10ヶ月の赤ちゃんを育てる友人のアメリカ人男性は、困惑していた。「普段は同じブランドの粉ミルクを使うように推奨されているが、見つからないので違う種類のを仕方なく使っている。牛乳を飲ませるの“満1歳を過ぎてから”と計画していたが、かかりつけ医から、『“牛乳スタート”を早めてもいいよ』と言われたので、そうしようかな・・・」と語ってくれた。

ここ数週間、“粉ミルク不足”で持ちきりのメディアも、親たちの苦肉の策を連日報じている。

ある女性は母乳を寄付したという。また、別の親は「手作り粉ミルク」に挑戦したというが、専門家は「危険なので手作りしないように」と警鐘を鳴らす事態に。さらに、粉ミルク不足により脱水症状など健康異常を引き起こし、入院した子供もいる。発端は最大手のメーカー「アボット」社の粉ミルクを飲んだ子供が感染症にかかり、2人が死亡したことだ。工場は2月から工場を閉鎖。これが、「粉ミルク騒動」を引き起こしたのだ。

親たちの“イライラ”が連日報じられ、バイデン大統領は今月に入り「空飛ぶミルク作戦」と呼ばれる、緊急輸入計画を発表。ヨーロッパからおよそ35トンの粉ミルクを輸入するのに、軍用機を使ったほか、朝鮮戦争の際に作られた「国防生産法」という制度を発動させて増産を指示した。

その背景には、「支持率の低下」にある。AP通信によると、5月のバイデン政権の支持率は39%と、過去最低を記録した。理由は、ガソリン価格を含む物価高騰や銃事件の急増などに代表される治安悪化もあるが、この「粉ミルク騒動」も理由のひとつである、と複数のメディアは分析する。CNNは「粉ミルク不足への怒りは雪だるま式に大きくなり、11月に控える中間選挙に向け、共和党はバイデン大統領(民主党)を攻撃する格好の材料となった」と報じている。

子供の健康と、親たちの不安解消のために事態打開が急がれている。バイデン氏にとってはさらに、政権運営にも影響する一大事なのだ。

(フジテレビ国際取材部・中川真理子)