東京競馬場で開催されている5週連続GⅠレースの第三弾「オークス」(芝・2400メートル)が、5月22日(日)に行われる。

3歳牝馬の三冠レース(桜花賞→オークス→秋華賞)の2戦目であり、1600メートルの「桜花賞」が最もスピードのある繁殖牝馬の検定競走であるなら、2400メートルの「オークス」はスピードだけでなくスタミナも兼ね備えた繁殖牝馬を選定するためのチャンピオンレースとも言える。

昨年は、1着がユーバーレーベン(3番人気、単勝オッズ8.9倍)、2着アカイトリノムスメ(2番人気、同4.5倍)、3着にハギノピリナ(16番人気、同215.4倍)で、3連単53万2180円の高額配当が出た。

ちなみに、2013年から2020年は8年連続で1番人気馬が3着以内に入り、3連単の平均配当が5万円台にとどまっていたが今年は、どうなるのだろうか。

2022年、1番人気馬が未勝利のGⅠレース 今週こそ⁉

特に、今年のGⅠレースは、8戦で一度も1番人気馬が勝っていない。

5月15日の史上最高レベルとも言われた「ヴィクトリアマイル」も、4番人気のソダシが制し、1番人気だったレイパパレは12着。

2月20日:
GIフェブラリーS・カフェファラオ(2番人気)
3月27日:
GI高松宮記念・ナランフレグ(8番人気)
4月3日:
GI大阪杯・ポタジェ(8番人気)
4月10日:
GI桜花賞・スターズオンアース(7番人気)
4月17日:
GI皐月賞・ジオグリフ(5番人気)
5月1日:
GI天皇賞(春)・タイトルホルダー(2番人気)
5月8日:
GINHKマイルC・ダノンスコーピオン(4番人気)
5月15日:
GIヴィクトリアマイル・ソダシ(4番人気)

今年初の1番人気馬による勝利が生まれるのだろうか。

ここからは、当レースの中心になりそうな注目馬を紹介しつつ、さらには、吉田豊騎手の独自取材の内容も紹介する。

史上16頭目 牝馬クラシック二冠へ! “スターズオンアース” 

4月、GⅠ「桜花賞」を制覇した8枠18番スターズオンアースの戦績は6戦2勝。

初コンビを組むC.ルメール騎手(43)と史上16頭目の牝馬クラシック二冠制覇を目指す。

スターズオンアース(4月、桜花賞)
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グレード制を導入した1984年以降のオークスでは、33頭の桜花賞馬が出走し9勝(勝率.273)、2着7回(連帯率.485)という成績。

スターズオンアースには、デビューから4戦連続で石橋脩騎手(38)が騎乗。その後は、今年2月に横山武史騎手(23)と組んでGⅢ「クイーンC」2着、そしてGⅠ「桜花賞」は川田将雅騎手(36)と制覇した。

桜花賞に続き、“テン乗り”騎手とのコンビを組むが、ルメール騎手とどんな競馬を見せるのか。

異なる騎手での桜花賞・オークス制覇は、1952年スウヰイスー(保田隆芳騎手・八木沢勝美騎手)と、2012年ジェンティルドンナ(岩田康誠騎手・川田将雅騎手)の2頭だ。

ちなみに今回、横山武史騎手は4枠8番ナミュール(5戦3勝 うちGⅡ1勝)に、川田騎手は2枠3番アートハウス(3戦2勝)に騎乗予定だ。

スターズオンアース

父は、皐月賞と日本ダービー二冠のドゥラメンテ、母の母(祖母)スタセリタは仏オークス馬。

馬名スターズオンアース=「地球上の星」という意味通り、父と同じように3歳で二冠を達成し、世代最強の星となれるだろうか。

2歳女王“サークルオブライフ” 唯一の重賞2勝馬の力

昨年、2歳の時に10月GⅢ「アルテミスS」と12月GⅠ「阪神ジュベナイルフィリーズ」の重賞2勝を挙げた3枠6番サークルオブライフは、JRA賞最優秀2歳牝馬を受賞し、“2歳女王”に輝いた。

サークルオブライフ(2021年阪神JF)

しかし今年に入り、3歳ではGⅡ「チューリップ賞」3着、GⅠ「桜花賞」4着と連敗を喫し、戦績は6戦3勝。

今回、出走予定の登録馬では、唯一の重賞2勝馬が、デビューからコンビを組むM.デムーロ騎手(43)とGⅠ2勝目を狙う。

最優秀2歳牝馬のオークス勝利なら、2017年ソウルスターリング以来、5年ぶり13頭目。

また、デムーロ騎手は、昨年ユーバーレーベン(4歳、11戦2勝)と共に制しており、史上7人目のオークス連覇に挑む。

サークルオブライフ

さらに、サークルオブライフを管理する国枝栄調教師(67)は、牝馬限定GⅠで現役最多の11勝を誇る。牝馬三冠を達成した2010年アパパネと2018年アーモンドアイでオークス2勝を挙げている。これは現役調教師では唯一であり、国枝調教師は同レース3勝目を狙う。

ちなみに、もう1頭の国枝厩舎からの出走は、5枠9番エリカヴィータ(3戦2勝 うちGⅡ1勝)で、武豊騎手(53)と並び、現役最多タイのオークス3勝を挙げている福永祐一騎手(45)が騎乗予定。

福永騎手は、JRAのGⅠで国枝調教師の管理馬に騎乗するのは、今回が初めてだ。

サークルオブライフの父は、GⅠ2勝のエピファネイア、母は16戦3勝ながら、GⅢ1勝のアドマイヤジャパンを父に持つシーブリーズライフ。

馬名の意味・由来は、「命の輪。母名(シーブリーズライフ)、母母名(プレシャスライフ)より連想」とのこと。

父に並ぶGⅠ2勝目を挙げ、“命の輪”をつなぐことができるか。

武幸四郎調教師GⅠ初制覇へ!“ウォーターナビレラ” 兄・武豊騎手と共に

昨年12月の「阪神JF」は勝ち馬から0.2秒差の3着、4月の「桜花賞」ではハナ差の2着、とあと一歩のところでGⅠ制覇を逃している1枠1番ウォーターナビレラは、戦績6戦3勝。

桜花賞でハナ差の2着に敗れた馬は、オークスに3頭が出走し2勝、2着1回という成績を残しており、悲願のGⅠ初勝利へ好材料だ。

ウォーターナビレラ

デビューから2戦は吉田隼人騎手で連勝。そして、3戦目からは、管理する武幸四郎調教師(43)の兄・武豊騎手とコンビを組み、GⅢ「KBSファンタジーS」を制覇し、さらに「阪神JF」「桜花賞」のようなGⅠ惜敗など好走を続けている。

武調教師は、騎手時代の2013年にメイショウマンボとオークスを制しており、ウォーターナビレラが勝てば、開業5年目でGⅠ初制覇、そして史上4人目の騎手・調教師双方でのオークス制覇がかかる(過去に、稲葉幸夫氏、高橋英夫氏、清田十一氏が達成)。

また、鞍上・武豊騎手には、1993年ベガ、95年ダンスパートナー、96年エアグルーヴに続く、26年ぶり4度目のオークス制覇がかかり、弟に調教師として初のGⅠタイトルを贈ることができるだろうか。

馬名ウォーターナビレラの由来は、「冠名(ウォーター)+(ハングル)蝶々のように羽ばたく」の意味。

騎手・調教師の武兄弟の力でGⅠ初勝利を挙げ、3歳牝馬のトップへと“羽ばたく”ことができるか、見どころだ。

最強 “ディープ”産駒と…20年ぶり制覇狙う吉田豊騎手を独占インタビュー!

4月GⅡ「フローラS」で逃げて2着に入った7枠13番パーソナルハイの戦績は8戦1勝。

1勝しかしていないが、昨年は、レース前まで6戦1勝だったユーバーレーベンがオークス史上3頭目となる1勝馬による勝利を飾った(他に1939年ホシホマレ11戦1勝、1995年ダンスパートナー4戦1勝)。

そして、パーソナルハイは、歴代最多タイのオークス4勝を挙げているディープインパクト産駒だ。

今回、勝てば“ディープ”産駒はオークス5勝目、さらにクラシック24勝目となり、共に歴代単独トップになる。

パーソナルハイ

鞍上の吉田豊騎手(47)には、1997年メジロドーベル、2002年スマイルトゥモローに続く、20年ぶり3度目のオークス制覇がかかる。吉田騎手は、今年3月にG1「ドバイターフ」(UAE)でパンサラッサに騎乗し、1着同着で海外G1初制覇を果たした。

その1週間後のGⅠ「大阪杯」は、8学年下の弟・吉田隼人騎手(38)がポタジェで勝利し、海外と国内で2週連続兄弟GⅠ制覇を成し遂げた。

さらに、先週のGⅠ「ヴィクトリアマイル」をソダシと勝利したのも、弟の吉田隼人騎手で、今回は国内での2週連続兄弟GⅠ制覇の偉業もかかる。

その吉田隼人騎手は今回、6枠11番ベルクレスタ(6戦1勝)に騎乗予定だ。

そして、吉田豊騎手は、18日(水)に競馬番組『馬好王国~UmazuKingdom~』のMCを務める神部美咲さんによる単独取材で、こう語った。

吉田豊騎手

神部:
吉田豊騎手、はじめまして。よろしくお願いします!

吉田:
よろしくお願いします。吉田豊です。

神部:
あの…この番組をご覧頂いたことはありますか?

吉田:
はい、何度かあります。なんか(弟)隼人さんはね、呼ばれているみたいで。

神部:
ありがとうございます!先週、弟の隼人騎手がソダシとヴィクトリアマイルを制覇しましたが、弟さんの活躍はどういった心境で見守られていますか?

吉田:
そうですね、今 関西に行ってすごく頑張っているなって思って刺激を受けています。

神部:
おぉー、やっぱり刺激を受けるものですか。

吉田:
そうですね、はい。

8学年下の弟を「隼人さん」と呼ぶ吉田豊騎手。

そして、話題はパーソナルハイと共に挑むオークスに及んだ。

吉田豊騎手

神部:
まずこの馬のストロングポイントを教えてください。

吉田:
僕が乗せてもらった府中の2回(「赤松賞」2着、GⅡ「サンスポ賞フローラS」2着)は、自分で逃げてペース刻んで最後まで頑張るという競馬をしているので、多少最初に脚を使っても最後まできっちり頑張ってくれることが長所だと思います。

神部:
やはり今回も理想の展開としては逃げたいですか?

吉田:
はっきりはわかりませんが、できれば自分でペースを刻んでいけるレースが理想だと思います。

神部:
桜花賞では0.2秒差の6着でした。オークスは3歳牝馬には過酷な2400mの距離がポイントになりますが、パーソナルハイの距離適正をどう感じていますか?

吉田:
みんな2400メートルは、本当に未知の部分が多い馬ばっかりなので、パーソナルハイとしては2000メートルも勝っていますし、経験していて距離がのびる分には不安がないと思うので、長くなって分が悪い馬に比べれば、2400メートルは向くんじゃないかと思います。

神部:
巻き返しに期待したいと思います!吉田豊騎手、ありがとうございました。

パーソナルハイの逃げても最後まで粘れる力を評価し、距離延長も問題ないと語る吉田豊騎手は、4度目の騎乗で初勝利を、そして今年早くも2度目となる2週連続兄弟GⅠ制覇も狙う。

第83回オークスは、中継番組内の出演陣による「みんなの夢馬券」コーナーの予想や買い目にも、ぜひ注目して欲しい。

果たして、今年のGⅠレース9戦目にして、初めて1番人気馬が勝利するのだろうか、今回のレースも目が離せない。

みんなのKEIBA
オークス・GI5月22日(日)15時から生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html