国産ストローで半分以上のシェアを握る岡山・浅口市の会社が、コロナ禍や法律の改正をにらみ新商品に活路を見出している。原料価格の高騰が重くのしかかる中、逆境を乗り切るものづくりを取材した。

生産ピークも…原材料価格が高騰

浅口市の会社、シバセ工業。新型コロナウイルスの感染拡大で外食産業への時短要請が続き、飲料用のストローへの需要が激減する中、注文が殺到したものがある。

シバセ工業営業部 玉石一馬部長:
PCR検査用のストローは2021年の東京オリンピックの時がピークで、コロナの前よりも忙しい状態が続いた

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PCR検査の唾液採取のためのストローは、2021年の東京オリンピック・パラリンピックでも採用され、現在も需要は途切れない。

さらに、最近は法律の改正を受けて、ある商品の引き合いが相次いでいる。

生本ひなの記者:
運転前のアルコール検知器を使用する時にこのストローを使用することで、より正確に検知できるだけでなく、コロナ対策にもなるんです

2022年10月からは、多くの一般企業でも従業員らが仕事で車を運転する際、アルコール検知器による確認が義務化される。その検知器用のストローの受注が、一気に拡大しているという。 

受注が一気に拡大
受注が一気に拡大

生産のピークを迎える中、直面しているのが原油価格の高騰にともなう原材料費の値上げ。1日約800kg使用するプラスチックの価格は、安定していた約3年前と比べて1.7倍ほどに膨れ上がっているという。

シバセ工業営業部 玉石一馬部長:
材料があがっていることでコストは上がっている。利益は減っている状態だが、世の中で必要とされている医療関係の製品などの需要があるうえで売り上げを伸ばすことによって、利益減少は十分まかなえると思う

長引く原材料費の価格高騰。時代のニーズに対応し、企業努力で乗り切っている。

(岡山放送)

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