岡山県津山市の縫製会社で、「レインボーデニム」という珍しいジーンズの制作が進められている。 西日本豪雨でその特殊な生地が水没し、生産が途絶えていたが、4年越しの復活に向けて動き出している。
ブランド立ち上げ直後に被災

倉敷市児島の生地メーカーで作られているのは、レインボーデニムの生地。津山市の縫製会社「内田縫製」が手掛けたもので、長く履くほど経年変化で虹色が濃く出てくる珍しいデニムだ。

4年前、試行錯誤を経てレインボーデニムを初めて販売した矢先に、生地を管理していた倉敷市真備町の裁断工場が西日本豪雨で被災。レインボーデニムを含む、全ての生地を失った。

内田縫製・内田泰造さん:
ブランドを立ち上げた当初だったので、これからどうしていこうかと。せっかく作った生地がなくなってしまったと、みんな落ち込んでいた

生地メーカー ショーワ・片山満輝さん:
通常のデニムは下染めしていない糸をまとめていくが、レインボーデニムは6色下染めしたものをまとめる

虹色を出すために、6色に下染めした糸をさらに藍色に染める必要があり、高い技術力が求められるという。
しかし今回、以前購入した客からのリペア依頼をきっかけに、4年ぶりの復活に踏み切った。
「期待を超えるジーンズを」工場復活への道のり
内田縫製・内田泰造さん:
客から返ってきたジーンズが、とても格好よく色落ちしていて、スタッフでこの生地をもう1回復活させたいと

復活に向けてクラウドファンディングを始めたところ、15分で目標金額の100万円に達し、これまでに約3400万円が集まった。

内田縫製・内田泰造さん:
ジーンズの醍醐味は、長く履いて経年変化を楽しむこと。客の期待を超えるようなジーンズを届けたい

豪雨を乗り越え、復活の時を待つレインボーデニム。クラウドファンディングは5月9日まで行われ、完成は6月末頃を予定しているという。
(岡山放送)