自民党の茂木幹事長は、5月1日から2日間沖縄県を訪問し、県内各地で街頭演説した。茂木氏の沖縄入りは、幹事長としては2021年11月以来2度目。夏の参議院選挙や9月投開票の県知事選を控える中、前週には松野官房長官も訪れるなど、政権幹部が続々と沖縄入りしている。
2022年に入り、自民党は県内の名護市、南城市、石垣市、沖縄市の市長選で4連勝中で、茂木氏は「この勢いを参院選、秋の知事選につなげていきたい」とこだわりを見せる。米軍普天間基地の辺野古移設に反対し、翁長前知事や現職の玉城知事の誕生を後押した勢力「オール沖縄」がかつての力を失っていることも追い風となっている。
茂木氏は、参院選の自民党公認候補である古謝玄太氏(新人・元総務官僚)について「公認されて1カ月あまりだが浸透が早い。政策能力も高い」と太鼓判を押す。一方で、再選を目指す「オール沖縄」系の現職・伊波洋一氏は元宜野湾市長として高い知名度を誇る。また、NHK党からは新人の油山真也氏が立候補を予定している。
秋の沖縄知事選に向けて、自民党はいまだに公認候補を決めきれていない。対峙するのは「オール沖縄」が支援する現職の玉城知事で、すでに出馬する意向を固めている。自民党関係者は「本当は参院選と知事選の候補者のセットで、選挙活動を早く展開したかったが、まだ候補が決まっていないのは遅い」と焦りを滲ませる。
自民党は参院選も知事選も前回選挙では現職候補に敗北を喫している。7月投開票の参院選で勝利できれば、知事選に向けさらに勢いづくというわけだ。自民党議員は「ほぼ自民が負けている沖縄で勝つことが何よりも大事だ」と語る。茂木氏は、沖縄を最重要選挙区と位置付け、今後も自ら沖縄入りして、てこ入れを図る構えだ。