愛媛県八幡浜市の高野地地区で、地域おこし協力隊として奮闘している女性がいる。街の宝は「人」。地域に溶け込んでいる協力隊を取材した。

新潟から愛媛へ 地域に愛される“はっちゃん”

八幡浜市の高野地地区は、市内中心部から車で約15分。標高200メートルから400メートルほどにある山あいの町だ。

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田川花月光さん:
八幡浜市地域おこし協力隊の田川花月光(はつひ)です

田川さんは新潟県出身の25歳。大学4年生の時に参加した移住体験ツアーで高野地にひとめぼれ。何とそのわずか半年後に協力隊として移り住み、2022年で3年目になる。

名護谷希慧アナウンサー:
この大きな旗はなんですか?

田川花月光さん:
みなさんから「はっちゃん」って呼んでいただいていて、旗もみなさんに作っていただきました

名護谷希慧アナウンサー:
地域に溶け込んでいますね

田川花月光さん:
うれしいですね

20年かけてミカン畑をサクラ山に 15種が彩る

地域に愛される「はっちゃん」がまず見せてくれたのは坂道。

名護谷希慧アナウンサー:
結構、登っていきますね

田川花月光さん:
登ってでも来る価値はあります

名護谷希慧アナウンサー:
わー!すごくきれい!

田川花月光さん:
「季楽の里」といって、年中いろんな植物を楽しめるところです。季節を楽しむと書いて「季楽」

この花の里を作ったのは、元消防士の尾﨑勝義(77)さん。

尾﨑勝義さん:
ここは全部、ミカン畑やったの。一番最初、イヨカンとかミカンが枯れたところに6本植えたんです。こんなサクラあるの!?って「楊貴妃」という桜に惚れて。手すりもつけて、階段もつけて

尾﨑さんが20年ほどかけて作り上げた「季楽の里」では、鮮やかなピンクが目を引く「関山」に、近年人気上昇中の下を向いて咲く「普賢象」、桜ではめずらしい黄色の「ウコン桜」など約15種類120本ほどのサクラが春を彩る。

名護谷希慧アナウンサー:
これ、すごいですね。トンネルみたいになってる

尾﨑勝義さん:
これが「楊貴妃」なんです。このサクラがあったために、僕はここをサクラ山にしてしまった

尾﨑さんが心奪われた桜「楊貴妃」
尾﨑さんが心奪われた桜「楊貴妃」

休憩所なども手作りして魅力は年々パワーアップ!そして、ついには展望台まで。

名護谷希慧アナウンサー:
すごくいい眺め!

尾﨑勝義さん:
ここ来ると解放感あるでしょ

田川花月光さん:
ほんとリラックスできるというか、和みますね、癒やし空間。高野地を知らない人たち、もったいないよってすごく思うんです。高野地っていう地域にキャッチフレーズがついていて、「四季百果 天空の里 高野地」。年中を通して百の果物、いろんな果物がとれるよって

国際コンテストで金賞 自慢の果実で作るマーマレード

続いて、フルーツの町ならではという場所に案内してもらった。

田川花月光さん:
長谷小学校という、平成25年に閉校になってしまったんですけど、4・6年生の教室だったところで活動している高野地フルーツ倶楽部のみなさんです

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
これは今、レモンのマーマレードを作っています。私たちが一番最初に作り始めたのはジャムです。自分たちで作った果物で

「高野地フルーツ倶楽部」は約30年前、当時、長谷小学校に通っていたかんきつ農家の子どもたちのママさんたちが始めた活動。2019年に八幡浜市で行われたマーマレードの国際コンテストで金賞を受賞したことをきっかけに翌年、企業組合として活動を本格化させた。

はっちゃんも倶楽部の一員だ。

田川花月光さん:
材料が冷凍庫の中にこんな感じで。生果は次のシーズンまで取れないので。それまでストックをしておかないといない

果汁や皮だけでなく、とろみの元になるペクチンも手作り。子どもも安心して食べられるようにと、ママたちの思いが詰まった高野地のマーマレードは、「河内晩柑」「せとか」「レモン」など6種類。なんと、全てコンテストで賞に輝いた逸品だ。

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
きれいな皮でしょ。原材料がいいっていうのが自慢です

名護谷希慧アナウンサー:
高野地のフルーツはおいしい?

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
八幡浜のかんきつは日本一。マーマレードを作る時間は幸せの時間って言ったかな、イギリスの方では

名護谷希慧アナウンサー:
おいしい!甘い!そのあとでほろ苦さもすごくあって。レモンの香りがふわっと

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
楽しいですよ。いま若い子たちが高野地に帰ってきてくれて、一緒にしてくれてるんですよ。マーマレード大会を機に、私たちもただの仲良しグループから違った形に生まれ変わった。やっぱりマーマレードの力

田川花月光さん:
愛媛県内とか、販路としては限られているのでどんどん開拓して有名に

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
世界に広げよう

名護谷希慧アナウンサー:
皆さんからの期待の声を受けて、どうですか

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
涙が出よるやろ

田川花月光さん:
そうなんです…

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
かわいいなあ

田川花月光さん:
まだまだこれからなんで

高野地フルーツ倶楽部の皆さん:
ありがとう、高野地を好きになってくれて

”はっちゃん”こと田川花月光さんが今、感じているのは「地域の宝は人」ということ。

人に惚れて高野地にやってきた、はっちゃん。わずか150人ほどで皆が1つのチームのような雰囲気の町に彼女も溶け込んでいる。

(テレビ愛媛)