西日本豪雨で被災した南予を盛り上げる「えひめ南予きずな博」が、4月24日に開幕した。
陸と海の魅力満載…2人のアナウンサーが体験
「きずな博」は西日本豪雨の復興イベントで、本来なら2021年7月の開幕だったのが、コロナ禍で延期されていた。
南予の9市町で12月までの8カ月間、南予を存分に味わえる250以上ものイベントが催される。イベントは住民たちや地域の手作りで、おもてなしのアイデアが詰まっている。

テレビ愛媛の福吉貴文アナウンサーと正本健太アナウンサーが、陸と海の魅力を体験した。
日本で一番細長くて四国の最西端、伊方町の佐田岬。その観光交流拠点「佐田岬はなはな」では…。

福吉貴文アナウンサー:
ここでしか味わえない、ある体験ができるということなんです

伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
漁師さんが普段乗ってる漁船に乗って、この辺りをクルージングできます

その名も「佐田岬漁師・漁船体験クルーズ」。4月16日からスタートした。ガイドを務めるのは、発案者の1人で伊方町地域おこし協力隊の竹内義博さん。
伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
船の名前は「福吉丸」っていうんですよ
福吉貴文アナウンサー:
私と同じ名前です
船の上でとれたて魚の刺身 体験クルーズで堪能
乗り込んだ「福吉丸」は定員10人の小型漁船。クルージングは佐田岬を1時間かけて回るコースだ。

伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
海から見たら風車もきれいでしょ
青い空と海、そしてそびえる白い風車。光を帯びる潮風を受けながら半島を進んでいく。すると突如、海の中に黒い人影が現れた。

伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
あそこで海士(あまし)さんが素潜りして漁をしてます
乗船客:
海女(あま)って女の人でしょ?
伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
ううん、男の人
海士が狙うのはサザエ。三崎地区では4月15日に漁が解禁になったばかり。残念ながらこの日、クルーズ中の収穫はなし。しかし…。
伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
「かご網」仕掛けとるから。これね。上手に引っかけてよ

体験はかご網の引き上げも。かご網の中のエサにつられ、魚がかかっているはず…。
乗船客:
いや~すごい!すごい!

伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
きょう旅館に持って行って食べよか
かかっていたのは、これからが旬の「イサキ」。塩焼きにするとおいしい魚だ。

乗船客:
大きいの獲ったど~!
さらに到着地点でふるまわれるのは、とれたての新鮮な魚の刺身。

福吉貴文アナウンサー:
けさ捕れたばかりのブリだそうです。船の上でいただきます。甘みがすごいです。食感もコリコリ感がくせになりますね
乗船客:
最高です。心の洗濯もできました
乗船客:
思ったよりむっちゃ迫力があって良かったです
伊方町地域おこし協力隊・竹内義博さん:
非日常的なことを体験していただける。南予を楽しんでいただいたらと思います

漁師と佐田岬の魅力を詰め込んだ、ぜいたくなひと時。体験クルーズは魚介類の試食付きで、大人1500円・小学生以上1000円とお値段も魅力。10月31日までの土日と祝日に楽しめる。
南予で唯一 乗馬で大自然を体感
正本健太アナウンサー:
国道378号線沿い、海も見える大洲市長浜に来ています。こちらで体験できるのが、動物との触れ合いです。草を食べていますね

南予ふれあい乗馬クラブ・山下忠祐代表:
こちらが馬が寝泊まりしている厩舎です
正本健太アナウンサー:
何頭いるんですか?
南予ふれあい乗馬クラブ・山下忠祐代表:
今は6頭
ここで楽しめるのは、南予で唯一という乗馬体験。

正本健太アナウンサー:
眺めがいいですね
この乗馬体験の最大の魅力は、馬との触れ合いと長浜の海の景色のコラボ。

正本健太アナウンサー:
展望台で海を見ることはあるけど、馬に乗りながらは初めて
南予ふれあい乗馬クラブ・山下忠祐代表:
なかなかないですよね

馬に揺られながら、大洲の自然の魅力を一度に体験できる。
正本健太アナウンサー:
何かすごくいい経験というか、非日常な感じがしますね
非日常な乗馬体験はまさに優雅な時間。

正本健太アナウンサー:
きずな博に向けて、準備されていることは?
南予ふれあい乗馬クラブ・山下忠祐代表:
予約いただいたお客さんに喜んでもらえるように、馬の管理もしっかりして。多くの県外の方に来ていただいて、自然と馬と南予の魅力を感じていただいたらと思います
正本健太アナウンサー:
自然、そして「人馬一体」といいますか。その辺りも感じながら楽しんでもらいたいですね

やはり南予といえば、海と空と陸の豊かな自然。そして、地域の人たちの魅力にあふれている。
南予と人を絆でつなぐイベント
このほかにも、宇和島市では伝統の「吉田秋祭り」にあわせて能やダンスを取り入れたステージイベント、大洲市では肱川で屋形船の船上からライブを楽しむなど、地域の伝統文化と多彩なコラボを組み合わせて展開する。

さらにお得なキャンペーンも。そのひとつが、1枚500円で飲食店や博物館などで特典が何度も受けられる「きずなカード」の販売。

また、道の駅で販売されているオリジナルのじゃこ天などを食べると、抽選で地域の特産品が当たるスタンプラリーもある。
実行委員会では観光客と南予の住民が絆を強め、イベントが終わっても交流を続けてもらい、着実な復興につなげるのが狙いとしている。「南予」と「人」を絆でつなぐ、壮大な癒やしイベントになりそうだ。
(テレビ愛媛)