自民党の石破茂元防衛相は1日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、安全保障に関するインテリジェンス(情報)の集約・分析などを強化するための「国家情報局」の設置を急ぐよう主張した。

「国家情報局」の新設は、政府の外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など3文書の改定に向けた自民党提言に盛り込まれている。

石破氏は、反撃能力の対象とする敵の「指揮統制機能」に関し、「指揮中枢に携わる人たちは(容易に)分かるような場所にはいない」と指摘。衛星情報や電波情報、人的情報などを集中して収集・分析するための部署を持つことは「急務だ」と強調した。

番組に中継出演した国民民主党の玉木雄一郎代表は、複数の小型人工衛星を連携させる衛星コンステレーションの構築を進めるべきだと主張した。

立憲民主党の渡辺周衆院議員(元防衛副大臣)は、安全保障に関する情報収集を強化するため、各国在外公館に派遣される防衛駐在官を増員するよう求めた。

一方、欧米などに比べ、日本で核シェルターの普及が進んでいないことについて、石破氏は「異様なこと」と述べ、「シェルターの整備は、本当にいま一番急がなければならないこと」との認識を表明した。

玉木氏も「国が主導してやっていくべきだ」と述べ、石破氏に同調した。

日本周辺では、ロシアと中国が核兵器を保有。北朝鮮も保有しているとみられている。ロシアのプーチン大統領はウクライナへの侵略をめぐり、核兵器の使用も辞さない構えを示している。

以下、番組での主なやりとり。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):
ロシアのプーチン大統領は「干渉しようとするなら電撃的な対抗措置をとる。手段は全てそろっている。必要であれば使用する」と核兵器の使用を示唆している。ウクライナを支援する欧米諸国などを牽制する狙いとみられる。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
核の脅威は、日本も他人事ではない。

梅津キャスター:
日本の周辺では、ロシアと中国が核を保有。北朝鮮も保有しているとみられる。中でもロシアは世界最多の最大6,255の核弾頭を保有している。先週出演した自民党安全保障調査会長の小野寺五典氏は、中国、ロシア、北朝鮮が連携する「複合事態」への危機感を日本は持つべきだと述べた。
国別のシェルターの普及率、国内の核シェルターで収容できる国民の割合を見ると、スイスやイスラエルが100%、ノルウェー、アメリカも高い数字。日本は0.02%だ。

松山キャスター:
各国に比べて日本の核シェルターの普及が進んでいない。

石破茂氏(自民党元幹事長、元防衛相):
異様なことだ。「そんなことがあるわけない」と、国民は思っているだろうけれども、政府・与党が危機意識を持ってシェルターの整備をしなければいけないと掛け声だけかけても仕方がない。
整備する際に税制優遇をどうするのか、補助をどうする、どのように建築基準法にそれ(核シェルター設置)を義務付けるのか。先ほど示された国々には法律がある。それが国民を守ることになる。憲法に触れるものではない。災害にも使える。シェルターの整備は本当にいま一番急がなければいけないことだ。

松山キャスター:
核シェルターの整備が進んでいるスイスでは、1960年代から新築建物にはシェルター設置が義務づけられた。自分の家にシェルターがない人でも自治体に金を払えば共有のシェルターを使えるという。日本でも核シェルター普及を図るべきか。

玉木雄一郎氏(国民民主党代表):
最近民間で問い合わせが殺到しているということだが、いざというときに金持ちしか身を守れないということになる。国が主導して整備していくべきだ。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事、元大阪市長):
(核シェルター設置が)進まない理由はいろいろあると思う。今までの憲法9条議論はいかに攻撃力を持つか、反撃力を持つかという議論ばかりで、一般国民をどう助けるかという議論が抜けていた。
多くの国民や一般国民は武器をもっていない。国民をどう逃がすかというところが完全に抜け落ちていた。一般国民をどう守るか、どう逃がすかというところは絶対に政治が言わなければいけない。

松山キャスター:
自民党安保調査会が新提言で「反撃能力」の保有を打ち出した。

梅津キャスター:
反撃能力の対象は、ミサイル基地に限定せずに指揮統制機能も含むとしている。しかし、元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「敵の指揮統制中枢の所在を見抜くのは困難」「通常、移動し複数存在する」として、情報収集能力の強化が急務だと指摘している。

松山キャスター:
日本には諜報機関がなく、敵の司令部などの中枢機関をどう探り当てるのか。自民党の提言では「国家情報局」の設置も言及している。日本もそういうものを持つ必要があるか。

石破氏:
持つ必要がある。指揮中枢に携わる人たちは分かるような場所になんかいない。移動するに決まっている。衛星情報、電波情報、人的情報に集中した部署を持たないと。国家情報局のようなものを持つことは急務だ。

渡辺周氏(立憲民主党衆院議員、元防衛副大臣):
名称はどうあれ情報を一元化する組織は絶対必要だ。情報収集にあたり、防衛省から在外大使館に派遣される防衛駐在官は、大使館が153あるのに半分にも満たない。例えば、ルーマニアに防衛駐在官はいない。エストニアとフィンランドでは兼務だ。本当に生きた情報をmilitary to militaryで集められる組織を作らなければいけない。

玉木氏:
いわゆる敵基地攻撃能力について、我々は自衛のための反撃能力は必要だということをずっと言ってきた。二つ欠けていることがある。重要なことの一つは、情報局のようなものをもつことも大事だし、アメリカに頼るのもいいが、複数の小型衛星で細かく情報をとる能力、いわゆる衛星コンステレーションを持つべきだ。二つ目に大事なのは、正しい情報を得ないと誤爆が起こる。間違って、あるいは相手国のジャミングなどで軍事基地だと思ったら実は学校に着弾した。あるいは大使館に着弾させられた。打った自衛官の法的責任はどうなるのか。日本の刑法では業務上過失致死について国外犯規定がない。その自衛官が責められるのか、上官たる国家の責任はどうなのか。相手領域内へ打つというが、実は必要な国内法規定がない。これはジェノサイドもそうだが、国内法規定をきちんと整備した上で装備体系と概念的な整理をしていくことが重要で、自民党の提案にはないのが残念だ。ぜひ進めてもらいたい。

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