ウクライナを訪問したアメリカのブリンケン国務長官が「ロシアは戦争で失敗している」と指摘した。

7億1300万ドルを軍事支援

ブリンケン国務長官とオースティン国防長官は24日、ウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナなどに対してあわせて7億1300万ドル、日本円で900億円以上を軍事支援すると表明した。

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ゼレンスキー大統領はアメリカの支援に感謝するとともに、優先事項は武器だとあらためて強調した。

ブリンケン国務長官:
この戦争でロシアは失敗し、ウクライナは成功している。

一方、オースティン国防長官は、東部で戦う新たな局面に入ったとして、ウクライナには長距離砲が必要で政府からは戦車を求められていると明らかにした。

オースティン国防長官:
適切な装備、適切な支援があれば(ウクライナは)勝てると信じている。

両氏は、今後もウクライナに軍事的支援などを続けていくとしている。

プーチン氏“5・9勝利宣言”は微妙

三田友梨佳キャスター:
風間解説委員に聞きます。 ロシアの軍事侵攻開始からちょうど2カ月での会談ですが、どう見ていますか?

風間晋解説委員:
ゼレンスキー大統領をはじめウクライナ側の参加者は、笑顔や安堵した表情を見せていました。
2カ月前、大統領は 「私はキーウの大統領府にいる。ここから逃げない」と悲壮な覚悟で語っていました。それが今、アメリカの国務・国防両長官が片道11時間、列車に揺られてキーウに来てくれたわけです。この戦争でウクライナが成功しており、ロシアが失敗したからこそできることです。アメリカの軍事支援が、その規模でも武器の有用性でも成功しつつあることも示しています。 

三田キャスター:
一方、ロシアにとっては5月9日の戦勝記念日が1つの節目とされますが、これについてはいかがですか?

風間解説委員:
ロシア軍が東部2州を制圧し、プーチン大統領が勝利宣言するという思惑通りにいくか微妙になってきました。ロシア軍はまだ支配地域を大きく拡大できてはいません。
一方、アメリカが提供する155ミリ榴弾砲は、第一陣が訓練を終了したと伝えられ、ウクライナ軍の火力はこれから急拡大が見込まれます。 NATOなど40カ国は26日、ウクライナへの軍事支援を話し合いますが、「ロシアが当分の間今回のような軍事侵攻ができないくらいに弱体化させたい」というオースティン国防長官の発言は、決して絵空事ではないように思えます。

三田キャスター:
バイデン政権幹部として初めてのウクライナ訪問が実現し、支援の姿勢を改めて打ち出す中、ロシアによる爆撃は今日も続いています。事態の長期化が懸念されます。

(「Live News α」4月25日放送分)