東北自動車道と東北中央自動車道のクロスポイントに、福島県内では35番目の道の駅「道の駅ふくしま」が誕生した。コンセプトは、福島市が誇る果物や観光・文化など、人を惹きつける魅力の発信だ。
コロナ禍で落ち込む観光の起爆剤とも期待されている。その全貌を取材した。

2022年4月21日 プレオープンの様子
2022年4月21日 プレオープンの様子
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地元産にこだわったフードコート 子どもや犬が遊べる施設も充実

4月27日、「道の駅ふくしま」がグランドオープンした。東北中央自動車道の福島大笹生(おおざそう)インター近くに位置し、敷地面積は2.7ヘクタールある。

本体施設には、福島県が誇る旬の果物や日本酒が買える直売所、物販コーナーが入っている。フードコートでは徹底した地元産にこだわり、地元産の果物を使ったスイーツ店、大笹生産の素材にこだわるカレー店、ラーメン店のほか、常磐ものも扱う海鮮丼や寿司店も入る。

それとは別に、吾妻連峰を見渡しながら食事ができるレストランもあり、福島牛やエゴマ豚、福島県産ブランド鶏を使ったメニューを味わえる。

レストランは、長距離ドライバーが利用しやすいように1人用の半個室も用意されている。パソコンを使うなど、コワーキングスペースとして利用してもいいという。

長距離ドライバーなどが利用しやすい1人用スペース
長距離ドライバーなどが利用しやすい1人用スペース

また、地方創生の拠点として、子どもたちが楽しめる屋内の遊び場や、ドッグランなども整備された。

子育て世代が注目する屋内遊び場には、福島県産の木材が使用されている。くだもの狩りを模した遊具で収穫ごっこ遊びができるほか、木製遊具としては東北最大級の「迷路」、手が汚れにくい特殊な砂を使用した砂場など、大人も子どもも一緒に遊べるスペースとなっている。

「道の駅」は“第3ステージ”へ… 休憩 観光に加え「防災拠点」として期待

さらに「道の駅ふくしま」は、防災拠点としての役割も担っている。防災倉庫には毛布や非常食が備えられた。また、駐車場の地下には40トンの水が入る耐震性貯水槽が整備され、約4,400人の3日分の飲料水が備蓄されているという。

道の駅ふくしま事業所・吉田賢司支配人:
この広いスペースなどを生かしまして、避難した方の拠点ですとか、ボランティアの受け入れですとか、十分お使いいただける施設ではないかと思っております

いま「道の駅」は第3ステージに入っている。

制度が創設されたばかりの第1ステージは、「道路を利用する人が安心して休憩できる場所」の提供が目的だった。

しかし、制度が浸透し始めた第2ステージでは、「道の駅自体が観光の目的地」になり、人を惹きつける場所になっていった。

そして、2020年からの第3ステージでは、「地方創生・観光を加速する拠点」として、観光だけでなく、防災拠点としての役割を担うことも期待されている。

福島県内では唯一「道の駅猪苗代」が「防災道の駅」に選ばれていて、ヘリポートが整備され、毛布や食料などを備蓄している。2022年4月現在、「防災道の駅」は全国39カ所にあり、選ばれると交付金などの支援が受けられる。

レンタサイクルやシャワールームも…地域の魅力発信と防災 2つの役割

ほかにも、イベントなどで一般貸し出しができる多目的広場や、近隣の果樹園めぐりなどに便利なレンタサイクル、長距離運転のリフレッシュになるシャワールームも完備している。

「福島市の魅力発信」と「地域を守る防災拠点」の2つの役割を担うことになる「道の駅ふくしま」について、市の担当者は…

福島市商工観光部 観光交流推進室・持地啓至次長
この道の駅からですね、周辺の地域、店舗、観光地を巡っていただきまして、福島ってこういうところがあるんだって感じていただいて、また福島に来ていただけるような施設を目指して参りたいと思います

(福島テレビ)

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