耳が聞こえない人も安心して生活できるシェアハウスが、長崎・大村市に完成した。音が聞こえなくても生活しやすい工夫がいっぱいだ。

全国初 聴覚障害者のシェアハウス 随所に工夫

大村市黒丸町に完成したのは、「手話ハウス~結(ゆい)~」。全国で初めてが誕生した、聴覚障害者のためのシェアハウスだ。

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テレビ長崎・本田舞アナウンサー:
お客さんが来ると、チャイムが鳴りました。同時に部屋のライトが点滅して、知らせてくれるようになっています

バリアフリーを意識 壁の一部がガラス張りの理由は…

中には部屋が8つあり、広さはそれぞれ6畳ほど。トイレや洗面台、クローゼットも備え付けられている。バリアフリーを意識した造りで、音が聞こえなくても生活しやすいよう、工夫も施されている。

テレビ長崎・本田舞アナウンサー:
壁の一部がガラス張りになっています。そのため、足音が聞こえなくても、出合い頭の衝突を防ぐことができるんです

足音が聞こえなくても、出合い頭の衝突を防ぐ

お風呂や洗濯スペースは共用で、キッチンが設置されたリビングのスペースでは、交流も楽しめる。
シェアハウスのため、福祉施設のように常駐する職員はいない。万一火事が起きた場合は、入所者がボタンを押すと、自動で住所・施設名を告げて119番通報をしてくれるシステムも取り入れている。

ボタンを押すと自動で 住所・施設名を告げて119番通報してくれる

消防:
はい。119番消防です。火事ですか。救急ですか。

火災報知システム音:
火事です。火事です。こちらは大村市黒丸町。長崎県ろうあ協会「手話ハウス~結~」です

県ろうあ協会・坂口義久会長:
大変嬉しいです。良かったです。廊下も広いし、バリアフリーで大変いい

「独り」「苦しい」との声…生涯安心して暮らせる場所を

施設が誕生するきっかけとなったのが、山崎榮子さん(95)だ。山崎さんは生まれつき耳が聞こえず、話すことができない。

職員や他の入所者と、手話で会話できる福祉施設は県内にはなく、2016年、89歳で故郷の長崎を離れた。

山崎さんが入所したのは、兵庫県の特別養護老人ホーム「淡路ふくろうの郷」だった。入所者や職員は手話でやりとりをしていて、時には冗談も飛び出す。

ガラス張りの壁を作ってぶつからないようにしたり、天井に呼び出しランプを取り付けるなど、快適な生活環境が整っていた。

「耳が聞こえなくても、生涯安心して暮らせる場所を長崎にも作りたい」。県ろうあ協会のメンバーなどが中心となって、「聴覚障害者居場所づくり推進委員会」を結成した。

県ろうあ協会・坂口義久会長:
施設入所などで手話が通じない現実がある。みんなの中にいても独りぼっちになる。退屈だとか、寂しい、苦しいという声がある

4月末から運営スタート グループホームなど次の展開も検討

手話つきのチャリティコンサートを開いたり、募金を呼びかけるなどして、5年で7,000万円近くの寄付が集まった。
その資金を元に、大村市に土地を購入、当初はグループホームなどの介護施設を想定していた。
しかし、介護や支援の度合い、年齢など入居の条件が出てくるため、県と協議した結果、シェアハウスを選んだ。
県ろうあ協会では、寄付とは別に約6,000万円を借り入れていて、今後30年かけて返済する予定だ。

県ろうあ協会・坂口義久会長:
入居者だけでなくて、手話グループやボランティアグループの人と、ここで話したり、活動したりするのを考えています

手話ハウスは、4月末から県ろうあ協会が運営する予定で、すでに4人の入居が決まっている。多くの人の支援が実を結び、この春、手話ハウスでの新しい暮らしが始まろうとしている。

介助が必要な聴覚障害者もいるので、今後、経営や運営が安定したら、グループホームなど次の展開も検討することになっている。

(テレビ長崎)

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