大手牛丼チェーン・吉野家の常務が、社会人向けの講座で口にしたとされる不適切な表現が波紋を呼んでいる。
「不愉快な思いをされた方がいたら」と前置き
「生娘をシャブ漬けに戦略」
この記事の画像(10枚)18歳女性:
気持ち悪いかなと思う。
18歳女性:
もうちょっと配慮があってもいいかなと。やめてほしい、嫌だなと思います。
20代女性:
結構インパクトが強くて、びっくりです。
この発言が飛び出したのは4月16日の土曜日、早稲田大学が主催し、社会人向けに開かれた「デジタル時代のマーケティング総合講座」でのこと。
この講座で担当講師として登壇したのが、牛丼チェーン・吉野家の伊東正明常務取締役。
受講生のものとみられるSNSには、伊東常務の発言内容について、こう書かれていた。
講師の方が若い女性を狙ったマーケティング施策を「生娘をしゃぶ漬けに戦略」と笑いながら何度も発言した。「田舎から出てきた右も左もわからない若い女の子を牛丼中毒にする。男に高い飯をおごってもらえるようになれば、絶対に食べない」だそうだ。
投稿者によると、伊東常務は「不適切な言い回しで、不愉快な思いをされた方がいたら申し訳ないんですが」と前置きをした上で発言したという。
この講座は、募集概要によると受講料は38万5000円(税込み)。問題の発言があったのは、3カ月に及ぶ講座の初回のことだった。
女性:
軽々しく薬漬けっていうのもどうかなと思う。そういうのを聞くとちょっと足が遠のきますよね、ますます。
女性:
気持ち悪いですよね。言い回しのイメージが。
FNN取材に吉野家は…対面でも謝罪へ
伊東常務は2020年3月、コロナ禍で行った牛丼の割引サービスについてこう話していた。
伊東正明常務取締役:
メニューの絞り込み等をしながら、できる限り営業時間を確保して、お客さまに食事を提供できるにしようと思っています。我々の日常食の1回分として、ご利用いただければ。
今回の不適切発言の内容について、吉野家はFNNの取材に対し「一言一句一緒だったかは、当社から申し上げられないが、発言の趣旨は問い合わせの内容だった」と回答。
また、伊東常務にどのような意図での発言だったかヒアリングを行ったことを明かした上で「若年層に吉野家を継続的に利用していただくときに、どのような戦略があるか考えてもらうとして、受講者に設定をお伝えする中での発言だった」と説明した。
伊東常務は講座翌日に主催者側に書面で謝罪し、後日改めて対面で謝罪する考え。会社としては処分を含め、厳正に対応を進めるとしている。
謝罪文の”作成者”にSNSで注目集まる
吉野家は、役員が不適切な発言をしたとして謝罪文を公表。
「人権・ジェンダー問題の観点からも到底許容できるものではありません」として、「講座受講者と主催者の皆様、吉野家をご愛用いただいているお客様に対して、多大なるご迷惑とご不快な思いをさせたことに対し、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
ところが、この謝罪文にもSNSで話題となる点があった。
平手友貴記者:
作成した人や時間が分かるファイルのプロパティを見てみると、アルファベットで伊東正明さんの名前があります。
SNSでは「不適切な発言をした伊東氏本人がこの謝罪文を書いたのでは?」との声が上がったのだ。
身近な牛丼チェーンをめぐる不適切発言。今後も尾を引きそうだ。
(「イット!」4月18日放送分より)