アウトドア動画で人気、YouTubeチャンネル登録者数44万人のアイドルがいる。新型コロナの影響でライブが中止になりピンチに陥っていた女性。YouTubeの動画作成に力を入れ、猪を解体するなど本格的なサバイバル動画で一躍人気となっている。

2つの意味でのサバイバル×アイドルで「さばいどる」
午前8時。気温約1℃の愛知県飛島村の海辺で釣りをするのは、岐阜県出身のアイドル「かほなん」さん。

かほなんさんは、釣りやキャンプなどのアウトドアの動画をYouTubeに投稿するアイドルで、自らを「サバイバルするアイドル」で「さばいどる」と名乗っている。
かほなんさん:
「アイドル界を生き抜く」という意味のサバイバルと、「サバイバル生活ができる」っていうサバイバル

かほなんさんの夢は無人島での自給自足の生活で、その予行練習として釣りを勉強中。ところが、この日は待てど暮らせど釣り竿はピクリとも動かなかった。
かほなんさん:
全然釣れないです。車でご飯にします

そこで急遽、お昼ご飯の動画も撮ることに。DIYで部屋のように改造した車の中、キャンプ道具で炊き込みご飯を作った。

かほなんさん:
どこでも生活できちゃいます、これさえあれば。もともと両親の影響もあってアウトドアをしていました。自然を感じたり、生きる力がつくんですよ
コロナでライブは中止に…人気も知名度も上がらないままのアイドル活動

かほなんさんは今でこそチャンネル登録者数約44万人の人気YouTuberだが、愛知県一宮市を拠点に2013年から続けてきたアイドル活動は、決して順風満帆なものではなかった。

かほなんさん:
メンバーが3人、2人、1人になって。人気もないし知られてない。平日だとお客さんが3~5人いたら嬉しい…。0人の時も
2018年からはソロで活動しているが、人気も知名度も上がらないままだった。そこに新型コロナが追い打ちをかけ、月10本ほどあったライブはほとんど中止に。

かほなんさん:
ファンに会えなくて寂しいですし、活動が出来なくて悲しかったけど、ふてくされるんじゃなくて。私にはサバイバルがあるから気合入れようってすぐ切り替えた
チェーンソーでの伐採から猪の解体まで ハードな動画で注目

もともとYouTubeでも活動していたかほなんさんは、企画・撮影・編集までを全て一人で行ってきた。そこに訪れたコロナ禍で、さらに動画作成に時間をかけられるようになったこともあり、内容をよりハードにすることを決意。

チェーンソーを使って木を切ったり、猪を解体したりと、アイドルの枠を超えた本格的なアウトドア動画もあげるようになった。
かほなんさん:
普通のキャンプしている女の子ではなくて、サバイバルしてる“さばいどる”として、興味を持ってくれる人もいて

おうち時間に気軽に見られるYouTubeと、密を避けられるアウトドアがコロナ禍の人々に刺さり、一躍人気者になった。
かほなんさん:
ライブで(客は)3人だったのが、今はチャンネル登録約44万人。ライブだと地域で名が売れてくって感じ。でも、YouTubeだと全国に広がるので
今やメディアに引っ張りだこ ピンチをチャンスに変えた“さばいどる”

“さばいどる”としての活躍をきっかけに、テレビ局とのコラボ企画や本の出版、さらに新聞にも掲載されるなど、今や引っ張りだこに。

この日は、ヒルトン名古屋でデザートビュッフェを紹介する雑誌の取材を受けた。
かほなんさん:
こういう仕事があることも知らなかったので、幅が広がって。やったことないことをいっぱいさせていただいて、毎日おもしろいです
かつては小さなライブでの活動しかなかったかほなんさんだが、今では平日は多くが仕事で埋まっている。

かほなんさん:
コロナ禍で色んな活動ができなくなって困ったけど、だからこそ新しいことを考えるチャンスにもなりました
「もっともっとアイドルとして、サバイバーとして活動していきたい」。ピンチをチャンスに変えたかほなんさんは、目を輝かせている。
(東海テレビ)