新型コロナの影響もあり、対面を避けて販売できる自販機の変わり種が続々と登場している。いま大人気となっている自動販売機を取材。人気の秘密とは？
洋菓子がずらり！ 自販機限定も
非接触の利点を最大限にいかせる自動販売機。コロナ禍にそのメリットを生かそうと登場した変わり種の自販機。
まずは島根・松江市にある洋菓子店「クロード」へ。設置されている自動販売機から出てくるのは、もちろんスイーツ！お菓子専用の自動販売機で約25種類が並んでいる。
松江クロード・佐川達也さん：
ほぼ毎日完売の状態でして、間に合わない状況です
中でも自販機販売専用に作っている3種類のスイーツは、見た目もかわいいと大人気に。昔風プリン缶、イチゴショートケーキ缶、チョコバナナ缶があり、平日は約50個、休日は約90個が売れているという。この日も…。
来店客：
ネットで見てきました
来店客：
来るたびに売れ切れていて。何回か来させてもらったんですけど…きょうやっと！すごくうれしい！
人気の自販機専用スイーツ。瓶の中にはスポンジ、果物、ジャムなどをバランスよく詰め込んでいる。見た目もかわいく、最後まで飽きさせない一瓶に。自動販売機の販売時間は、店の営業時間より開店・閉店とも一時間以上長くなっている。
松江クロード・佐川達也さん：
なるべく密をさけて買ってもらえるように、店の営業後に来られるお客さまにもケーキを買ってもらえたら
せめてドレッシングだけでも…客からの声を受け
次にやって来たのは、出雲市にある人気の総菜店「リトルアリス」。玉ねぎや人参などを使った人気の無添加ドレッシングや調味料など、12種類が自動販売機で販売されている。
――1日に何回補充されますか？
リトルアリス・佐藤真理さん：
朝と夕方の2回です
店を切り盛りするのは佐藤真理さん。レシピ考案の依頼などで多忙となり、2021年12月ごろから店を休むことが増えた。馴染みの客から「せめてドレッシングだけでも購入したい」という要望が多数寄せられ、思いついたのが自動販売機だった。2022年1月から販売を始め、年中無休の24時間販売。
すると…。
来店客：
きょうは自販機目当てで来ました。便利でいいです。お店が休みでも買えるから
来店客：
松江在住だから遠いんですけど、夜中に買いに来ます
多い日には1日40本から50本売れる人気ぶりだという。
リトルアリス・佐藤真理さん：
自販機は導入してよかったと思っています。ドレッシング作りがかなり増えて、ドレッシングだけ作る日も何日か設けるくらい作っています。（作る本数は）今までの10倍は作っている。ひたすら作ってます
自販機での販売を始めたことで、開店日の混雑緩和にも一役買っているという。佐藤さんは自販機用専用の商品開発にも力を入れている。
リトルアリス・佐藤真理さん：
お店を開けるとその時間だけ混雑するので、自販機だとコロナ対応にも良い。24時間分散して来てもらえるので
自販機用専用のドレッシングを新たに考案。ますます力が入っている。
リトルアリス・佐藤真理さん：
それに合う出汁や調味料を増やしていけたらと思います。毎日の食卓に楽しみが増えるようにという、自分のテーマがあるので
牛ハラミにハンバーグ 売り上げ月100万円を目指して
最後にやって来たのは、鳥取・湯梨浜町にある精肉店。
あかまる牛肉店・尾崎篤司さん：
お肉の自動販売機があるのでお見せしますね
店の外に案内され姿を現したのが…。
あかまる牛肉店・尾崎篤司さん：
10種類の商品があり、お肉や冷凍の加工品を取り扱っています。お肉を販売する自販機は山陰でここだけかなと
――ずっと販売しているのですか？
あかまる牛肉店・尾崎篤司さん：
24時間365日、販売しています
売られているのは、冷凍の牛肉のハラミやホルモンにハンバーグ、さらにはもつ鍋セットまで。この精肉店が取り扱う人気商品10種類です。実際に買ってみると。
本田航太記者：
出てきました。冷凍なのでかなり冷たいです。お肉が出てきました
このお肉の自販機は、コロナ禍で落ち込んだ精肉店の新たな収入源にと2021年8月に設置。晩ごはん前の時間帯によく買われ、週に50セットを売上げるという。
購入客：
無人ですからいつでも買えますよね。いいアイデア。流行るんじゃないかな？
設置から半年が経過して物珍しさが薄れたのか売上は苦戦中で、目標100万円の約3割に留まっている。
あかまる牛肉店・尾崎篤司さん：
コロナ禍でまだまだ感染が広がっていますが、誰にも会わずに買い物できる、触れるものが少なくて済むところが魅力。お客さまに飽きさせない工夫をしていきたい
コロナ禍で生まれた自販機商戦。店独自の個性も加わり、ますます盛り上がりを見せている。
（TSKさんいん中央テレビ）
