名古屋市で教育長の人事案否決は市制史上初

新年度に名古屋市の教育長が空席となる異例の事態となる見通しとなった。22日の市議会で、河村たかし市長が提案した教育長の人事案が否決されたのだ。

22日の名古屋市議会本会議。過去最大となる約1兆3794億円の新年度一般会計予算案などが可決・成立する中…

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議長:
本件を同意することに賛成の方の起立を求めます。起立少数であります。よって本件は同意しないことに決しました

河村たかし名古屋市長:
(机を叩き)とんでもないよ!

河村市長が机を叩いて声を荒らげたのは、自身が提案した新しい教育長人事が否決されたためだ。

「1人の子供も死なせない名古屋」の実現のため、不登校の生徒らを対象とした校内フリースクールの設置など、学校の福祉機能の強化を目指す河村市長。
その推進役となる教育長に、河村市長の腹心、廣澤一郎前副市長をあてる人事案を提案していた。

廣澤前副市長は民間出身で、河村市長が代表を務める減税日本の元県議。

副市長在任時も教育委員会を所管し、河村市長が推し進める教育改革に深くかかわってきた。

しかし議会側は、副市長だった間に、いじめ対策で存在感を発揮できなかったことなどを理由に、「教育長に求められる識見を有しているとは認められない」などと強く反発。

そして22日の本会議で、河村市長提案の教育長の人事案は、自民・民主・公明・共産の反対で否決された。

名古屋市で教育長の人事案が否決されるのは初めてで、異例の事態だ。

河村たかし名古屋市長:
1人の子も死なせないということをやっていくためには、すごい教育委員会改革がいるわけです

河村たかし名古屋市長:
福祉機能を持つ教育、一緒にやってきたんだから、そりゃ一緒にやりたいに決まっとるがね。そういうやつを否決すると。ろくでもないですわ

名古屋市の教育長は今後、河村市長が新たに提案して議会に同意を得るまで当面空席となる見通しだが、名古屋市は5人いる教育委員の中から職務代理者を選ぶため業務に支障はないとしている。

(東海テレビ)

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