名古屋市千種区にある「カミシツジ」は、オーナーの男性が一人で営む24時間営業の美容室です。元々深夜2時までの営業でしたが、客の要望を受け24時間営業へ切り替えました。深夜は飲食店勤務の人が、早朝は出社前の人たちが訪れます。24時間営業にすることで、競争が激しい美容業界で独自の魅力を放っています。
■客からのリクエストで24時間営業に切り替え
名古屋市千種区、地下鉄「本山駅」から徒歩10分の所にある美容室「カミシツジ」は、オーナースタイリストの林佑輔さんが1人で切り盛りしています。

元々深夜2時までの営業でしたが、「もっと遅い時間や早朝にも営業してほしい」との客からの要望を受け、“24時間営業”に切り替えました。
一般的な美容室なら閉店しているであろう午後10時、皮膚科の男性医師が来店。通い始めて3年ほどになるといいます。
男性医師:
「絶対的に便利。一回家に帰ってからも行けるし、(職場から)直接来ることもできる」

残業が多く、帰りはよくこの時間になるという男性は、休日ではなく、仕事帰りの遅い時間に営業している“深夜美容室”は本当に助かると話します。
■訪れる理由は人それぞれ…深夜に美容室を訪れる人たち
深夜1時過ぎ、ラーメン店で働く男性がやってきました。
男性客:
「シャンプー代わりです。髪の毛洗うのがすごく上手いので、リラックスできる」
カットではなく、シャンプーやヘッドスパで一日の疲れを癒すのが目的だといいます。

続いて、居酒屋で働く女性が仕事終わりに来店しました。
女性客:
「お風呂入るのが面倒で、疲れているし乾かすのも面倒。人に洗ってもらうのが気持ちいい」
この女性は、「入浴が面倒」と思った時によく訪れるといいます。

深夜は、飲食店に勤めている人の利用が多いそうで、仕事帰りに自分へのご褒美として使っている人が多いといいます。
さらに、午前2時過ぎに来店した女性は…。
女性客:
「基本この時間しか来ない。早くて深夜1時とか、お店が早く終わったとき。(働くのは)飲み屋さん。こっち(深夜)に慣れちゃって、今昼に行ったら逆に違和感かも」

終電後から明け方までの深い時間帯は“夜のお店”の仕事を終えた人が多く、一度夜の美容室に慣れてしまうと昼には戻れない、という声もありました。
■出社前にスイッチを…早朝に美容室を訪れる人たち
一方、朝7時に来店した女性は、出社前に訪れたといいます。

女性客:
「年齢が年齢なので小ぎれいにしておこうと。それでチャンネルが変わる」
出社前に気合いを入れるため、身だしなみやエチケットとして利用しているといいます。
オーナーの林さん:
「昨日の夜から寝ずに今に至って、昼ぐらいまで(予約が入っている)。今テンションが一番上がっている時間」
完全予約制にしているため、24時間365日の対応が可能だと話します。体力的には大丈夫なのでしょうか。
林さん:
「ちゃんと寝ています。すぐに来られる近くにアパート借りているので、24時間できるというのもあります」
予約が入らない時間帯は、家で睡眠をとるなど比較的自由に過ごしているといいます。

林さん:
「もし24時間営業をやってなかったら、多分潰れていると思う。美容院の数的にも」
競争の激しい美容業界で生き残りをかけ、独自の戦略として24時間営業を貫いています。