三重県鈴鹿市の河川敷で3月5日夜、バーベキューが原因とみられる火事があり、枯れ草など約1万平方メートルが燃えた。こうした河川敷での火事はなぜ起きるのか、また起きてしまった場合の対処法について専門家に話を伺った。

冬場の河川敷「20秒で半径2m以上に燃え広がる危険性」

3月5日、鈴鹿市の鈴鹿川の河川敷から出火し、枯れ草など約1万平方メートルが燃えた。ケガ人はいなかった。

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河川敷は火で燃えた部分が真っ黒に…。

その後の取材で出火の原因がわかってきた。警察によると当時、男性グループが橋の下でバーベキューをしていて、火をつけた新聞紙が風に飛ばされ枯れ草に燃え移ったとのこと。

その時のものかはわからないが、現場にはバーベキューのセットや炭が残っていた。

当時、現場周辺では風速6mの風が吹いていて、強風注意報が出されていた。現場を見て回ると、約1キロ離れたところに無料のバーベキュー施設があった。

施設管理者:
(火災現場は)草が1m以上はありましたね。風がきつい所で飛び火すると、ああなってしまう。ここら辺は全部、草を刈ってあるので、あのようには燃えないですね

また翌日の6日には、神奈川県海老名市にある相模川の河川敷でも火災が発生。けが人はいなかったものの、近くに止まっていたトラック4台が焼けた。

消防庁によると、2019年に全国で起きた河川敷の火災は775件。こうした火災はなぜ起こるのか。火災に詳しい、日本防火技術者協会の鈴木弘昭さんに話を聞いた。

河川敷の火災の原因はバーベキューや花火などが多く、枯れ草が燃える火事は乾燥する冬場に特に多く発生するという。それを裏付ける札幌市消防科学研究所の実験映像がある。

左は乾燥して風が強い春や冬、右は湿って風が弱い夏を再現した枯れ草。

枯れ草に火種を置くと、左は1分もすると火が付き始め、4分になる前に勢いよく炎が立ち上った。一方、夏の状況では10分以上たってようやく火が付いた。

鈴木さんは「冬場の河川敷では、20秒あれば半径2メートル以上に燃え広がる危険性がある」と話す。

もし火が燃え広がってしまった場合は、足で踏んだり上着で扇ぐのは逆効果で、火の進む方向に水を撒いて枯れ草を湿らせることが効果的だとしている。

(東海テレビ)

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