1学年1クラス以下のため行われない学校もあるが、多くの学校で新年度、クラス替えがある。

そうした中、長野市の小学校では県内で初めて「毎年のクラス替え」に取り組むことになった。県内は「2年ごと」が多いが、実は全国では「毎年」が主流。狙いや期待される効果を取材した。

友人や教師との関係が固定化

長野市の裾花小学校。これまで「2年ごと」だったクラス替えを、4月から「毎年」行うことが説明された。

裾花小・飯田光香先生:
来年度から毎年、クラス替えをすることになりました。みなさん、どうですか?

裾花小学校(長野市)
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3年生:
今、ほとんど毎日しゃべっている友達と離れるのは、ちょっとやだ

3年生:
友達が増える

多くの児童が気にしていたのは、やはり友達。期待もあれば不安もある。

3年生:
他のみんなとたくさん話したり、2年生の頃の友達と会えるから、賛成です。仲良くしている人たちと離れちゃうのは、ちょっと寂しいです

記者:
毎年のクラス替え、賛成?反対?

3年生:
反対!今の友達とあんまり仲良くできなくなっちゃうから

県教委によると、県内の公立小学校では3年生と5年生でクラス替えするケースがほとんどだ。つまり「2年ごと」が主流で、毎年クラス替えをしている小学校はないという。

裾花小はなぜ「毎年」にするのだろうか。宮島卓朗校長は、クラスや学年を越えた壁のない学校づくりを目指す中、いつも課題があったと話す。

裾花小・宮島卓朗校長:
自分のクラスの友達は知っているけど、隣のクラスの子は知らない、という(児童がいた)ことがきっかけ。私たち教員も、自分のクラスは責任をもって見ますが、他のクラスや他の学年は薄くなってしまうことがあったのではないか

児童有志がそば作りをするなど、クラス・学年を越えた活動をしているが、友人関係や児童と教師の関係が固定化されていると感じられる場面もあった。そこで浮上したのが「毎年のクラス替え」。半年ほど検討を重ね、導入を決めた。メリットは大きく2つある。

裾花小・宮島卓朗校長:
子ども目線のメリットで言うと、多くの友達と学びあい、生活しあうメリットがある。もう一つは、子どもたちを複数の教員の目で見ていくことができます

関東や西日本は「毎年」 クラス替え頻度に地域差

裾花小が県内初導入だが、全国では毎年のクラス替えが「主流」だ。教育問題に詳しい専門家に聞いた。

信州大学教職大学院・伏木久始教授:
首都圏、都会では毎年、担任が変わるっていうのは当たり前。長野県の多くの先生方、教育関係者は、全国的に見ると比較的長い学級のユニットを組んで、担任も長めに持ち上がっていくというケースが多かったと思います。子ども目線で考えると、できるだけ多様な先生との出会いがあった方がベター。違う先生の個性と出会うことによって、いろんな可能性が発揮される。そんなことが期待される

大手通信教育会社のベネッセが、全国の保護者にクラス替えの頻度についてアンケートを行ったところ「2年に1回」は3割、「毎年」はその2倍の6割という結果だった。

長野県内の様子からNBSは、地域によって傾向があるのではと予測。

各都道府県教委の担当者に電話取材をすると、関東や西日本の多くは「毎年」、東北や信越は「2年ごと」が主流とみられ、「混在」する地域もあることがわかった。ただ、今回の取材では理由まではわからなかった。

きめ細かな指導できるのか…保護者の心配に教員は

裾花小の保護者アンケートでは、毎年のクラス替えに「賛成」は27.7% 、「反対」は38.5% で反対が上回った。

【保護者アンケートの結果】
「毎年あるのが当たり前になれば、問題ないのかな」
「馴染むのが苦手な子に、毎年はつらいと思います」
「先生が一人ひとりの子どもを理解するのに、一年では足りないのでは」

保護者の一人、増田裕一郎さん。当初は疑問を抱いたが、学校の説明を聞き納得できたと言う。

保護者・増田裕一郎さん:
クラス替えを通じて、新しい友達を増やしてもらいながら先生方とお話をしてもらい、子どもたちのやる気や好奇心を刺激してもらえるような形になればありがたい

信州大学教職大学院・伏木久始教授:
保護者は、生徒のことをちゃんと把握できないんじゃないか、という心配があると思う。担任が子どもたちを育てるというより、先生たちの集団で多様な子どもたちに接していくことが、これから求められている。先生の個人に特別な責任・負担を与えすぎないで、先生同士がネットワークを組める仕組みの方が、それぞれの先生の持ち味が出しやすい

現場の教師の中にも、毎年のクラス替えには当初、賛否があった。不安を抱えていた教師も今は前向きに捉えている。

裾花小・飯田光香先生:
また一からみんなの特性を把握ってところに、どれだけ時間がかかってしまうのか。子どもたちのためって第一に考えて、やっていけたらなと思います

 

裾花小・大日方守先生:
われわれ職員も子どもたちも、不安などあって当然のこと。しかし、毎年のクラス編成でさらに友達が増えていく、すごい可能性が広がってくる

 

より多くの出会いを提供する「毎年のクラス替え」。運用次第では多様性の尊重やクラス・学年を越えた連帯感を育むチャンスとなりそうだ。

裾花小・宮島卓朗校長:
(教員には)裾花小学校の子どもたちは、全員自分の受け持ちの子どもだよってことを、(児童たちには)自分のクラスの友達も当然大事だけれど、他のクラスの友達も、他の学年の友達も大事にしてほしい。多様性を認め合う子どもたち、社会になっていけたらいいなと思います

(長野放送)

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