高級感のあるシンプルなパスケース。防犯ブザー機能がついた、その名も「パスケル」。アクセサリー会社が、大人の女性向けに開発した防犯グッズだ。商品に込められた思いを取材した。

不審者の約9割が「ブザーで逃走」も所持率は低く

パスケルの名前は、「パステルカラー」と防犯ブザーで「助ける」ことをかけ合わせて名付けられた。

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開発したのは名古屋市東区の「ミレーヌ」。女性用のアクセサリーの製造・販売などを手がける会社だ。

きっかけは5年前。

ミレーヌの社長:
愛知県警から「大人の女性が持ちたくなるような、デザイン性のある防犯ブザーを開発してほしい」という依頼を受けた

その数カ月前、帰宅途中だったミレーヌの女性社員が、自転車に乗った男に胸を触られる痴漢の被害に遭っていたこともあり、開発を決めた。

ミレーヌの社長:
弊社の女性社員もこの近くで怖い思いをしたと。人ごとではないなと思いました

テーマは「大人の女性向けの防犯ブザー」。

警察によると2021年の1年間で、女性や子供が不審者から声かけや付きまとわれた事案は3677件。被害者の半数近くは、20歳以上の「大人の女性」だった。

不審者に聞き取りをした警察の調査で、防犯ブザーを鳴らされると約9割がその場から逃走すると回答していた。しかし、効果があるにもかかわらず、女性の防犯ブザーの所持率はわずか18%。

20代女性A:
小学生が持っているイメージ

20代女性B:
あんまりかわいいデザインの物もないし

持っていない理由は、防犯ブザーへの子どもっぽいイメージやデザインだった。

そこで社長は、女性社員を中心にプロジェクトチームを発足。約1年検討を重ね、目を付けたのは通勤・通学で使うパスケースだった。

デザイン・開発担当の社員:
大人の女性に持っていただきたい商品になるので、どんなファッションにも合いやすいベーシックな色味を中心に選んでいます

有名ブランドのバッグと同じ高級感のある素材を使い、シンプルなデザインに。そこに防犯ブザーを組み込んで「パスケル」が生まれた。

発売開始から3年。現在は12色展開で価格は4290円と安くはないが、購入者からは「春から高校生になり、電車通学になる娘に持たせたいと思います」「彼女にプレゼントする」といった声が寄せられている。

注文の約7割が娘や孫、彼女のために購入するプレゼント用だという。

ミレーヌの社長:
犯罪に巻き込まれた女性は、ずっと心の傷を抱えると聞いた時、やはり犯罪は未然に防がないといけないと強く思いました。これを普及させることが、女性が安心して活躍できる時代につながると思っています

(東海テレビ)