厳しい競争が続くコンビニ業界で、新たな戦略に挑む「ポプラ」。小型の無人店舗に懸ける思いに迫った。
広島県内で29店舗を展開するコンビニエンスストアの「ポプラ」。
不採算の路面店を整理し、施設内の店舗に注力する方針を掲げる中、2022年は客に寄り添う“新たな策”に乗り出す。

野川諭生キャスター:
広島市安佐北区のポプラ本社内に設けられているこちらの店舗。見た感じ、非常にコンパクトにまとまっていますね。ドリンク類も豊富にラインナップされています。ビジネスマンにはありがたい文房具まで、かゆいところに手が届くように取り揃えられていますね

2年間で120店舗の出店を目指すポプラの小型無人店「スマートセルフ」。
レジと商品棚のみの1坪から売り場をつくれる仕組みで、ターゲットは通常のコンビニでは出店が難しい規模のオフィスや工場。

「近くにコンビニが無くて困る」「自動販売機しかない」などといったニーズに対応する狙いだ。
ポプラ営業推進部・大宅孝史さん:
費用の負担は、電気代のみ設置先にご負担いただいていて、その他の出店費用は弊社で負担する
「小型無人店舗」でポプラのファンを増やす
競争が激化するコンビニ業界で、大手のローソンと共同事業契約を結ぶなど、あの手この手の構造改革を続ける今、賃料や人件費が抑えられ大きなチャレンジとなる「小型無人店舗」の出店加速…。

ポプラ営業推進部・大宅孝史さん:
無人コンビニは、社会インフラとしての機能も非常に高いと感じておりますので、中長期的にはポプラのファンを増やす入口として考えている

これまでに、ポプラ本社をはじめ広島市内3カ所で実証し、物流面の課題などはクリア。
基本的には、1つの拠点から半径10kmの範囲に出店する計画で、まずは広島市中区にある直営店を拠点として、2022年夏までに30店舗を見込み、夏以降には“ダークストア”と呼ばれる倉庫店舗を新たに設けて、さらに30店舗と出店を加速させる。
“不特定多数”から“固定客”に寄り添う店舗に
不特定多数の客ではなく、限られた空間の中で働く固定客に寄り添うポプラ。

週1回の配送を原則とするため、日持ちしない商品は取り扱えないものの、それぞれのニーズに合わせた菓子やカップ麺、日用品など100種類以上を並べ、現在は冷凍弁当の販売に向けても動き出しているという。

そして支払いはセルフレジで、通常の店舗と変わらないさまざまなキャッシュレス決済が使えるのも魅力だ。

ポプラ営業推進部・大宅孝史さん:
コロナ禍でなかなか店舗に行きづらいというお客様のニーズも高まっているので、より小商圏でお客様が買いやすい売り場は今後も拡大していくと考えている
館内人口100人以上の企業やビルなどに積極的にアプローチし、福利厚生などを見直す広島市内の企業や学校、工場などと出店に向けた商談が進んでいるという。
(テレビ新広島)