北京オリンピック、女子フィギュアスケートのショートプログラムが15日に行われ、ROC(ロシアオリンピック委員会)のカミラ・ワリエワ選手がトップに立った。

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“トップ不在”異例の記者会見

ドーピング問題などの重圧の中、演技を終えたワリエワ選手の目には涙が――。
得点82.16の1位でフリーへと進んだ。

涙を拭うワリエワ選手

演技終了後、上位3選手が出席するはずの記者会見には、ワリエワ選手の姿はなかった。
トップ不在という異例の記者会見。ショートプログラム3位だった坂本花織選手には、海外メディアからワリエワ選手のドーピング問題に関する質問が飛んだ。

坂本花織選手:
今は競技をすることに必死で、そういうことに関しては、今は本当に考えないようにしようと思っている。

「出場」の判断に相次ぐ批判

2021年12月に採取された検体から、禁止薬物「トリメタジジン」が検出されたワリエワ選手。しかしスポーツ仲裁裁判所は14日、オリンピック出場を認める判断を下した。

この決定には、海外メディアから批判も相次いでいる。

スペインメディアは、「ワリエワの言い訳 クリスマスに祖父と同じグラスで飲んだ」との記事を掲載した。

14日付けのスペインのスポーツ紙「MARCA」電子版

これは、ワリエワ選手側が「祖父の心臓病の薬が誤って口に入った可能性がある」と主張しているというロシアメディアの報道を受けてのものだ。

母親・弁護士の証言に日本の専門家も異議

ロシアの反ドーピング機関による聞き取り調査に対する、ワリエワ選手の母親と弁護士の証言とされる音声データには、次のような内容が残されていた。

ワリエワ選手の弁護士:
祖父と同じ食器を使ったことで薬が入りました。

ワリエワ選手の母親:
祖父はそれ(トリメタジジン)を(心臓に)雑音があるときに服用するので、薬を携帯しています。ですので、祖父がこの薬を持って家に来て、弁護士が言った通りのことが起きた可能性もあります。

心臓に持病を持つワリエワ選手の祖父が、トリメタジジンを服用。弁護士は、祖父と同じグラスをワリエワ選手が誤って使ったことで、薬が体内に入った可能性があると主張している。

この主張について、日本アンチドーピング機構公認の薬剤師・野村大祐さんは異議を唱える。
トリメタジジンは基本的には錠剤が主流で、錠剤を服用したグラスを使ったとしても陽性になる可能性は極めて低いという。

「新たに2種類の薬を検出」と米メディア

さらにワリエワ選手のドーピング問題を巡っては、新たな情報も出ている。

アメリカのニューヨーク・タイムズは、ワリエワ選手の検体からトリメタジジンのほかにも、心臓の状態を改善する2種類の薬が検出されていたと報じた。

新たに判明した物質は「ハイポキセン」と「L-カルニチン」で、禁止薬物ではない。薬剤師の野村さんによると、この2種類はロシアで流通しているサプリメントにも含まれる物質だという。

モスクワ市内の薬局では「トリメタジジン」「ハイポキセン」「L-カルニチン」の3つは、薬処方箋なしでも買うことができる。

ニューヨーク・タイムズは、アメリカの反ドーピング機関幹部による次のような見方も伝えている。使用が認められている2種類と、禁じられている1種類を組み合わせることで、持久力向上や酸素を効率良く使うことができる可能性があるという。

ワリエワ選手の出場には、バンクーバー大会の金メダリスト、韓国のキム・ヨナさんも反応。SNSに「ドーピングに違反したアスリートは出場できない。この原則は例外なく守られるべきです」などと投稿した。

波紋が広がる中での最終決戦・女子フリーは、16日夜に行われる。

(「イット!」2月16日放送)

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