宮城・南三陸町の高校生の思いが企業を動かした。高校生が提案した南三陸ならではのカップ焼きそばが商品化され、2022年2月7日から全国で発売された。

先生からも生徒からもあふれる「ペヤング愛」

記者リポート:
こちらの売り場には、パッケージのタコが目を引き、志津川高校と書かれたカップ焼きそばが棚いっぱいにずらっと並べられています

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販売が始まったのは、人気商品「ペヤング」の新しい味「たこめし風」。たこのイラストが目を引くパッケージ。そこには志津川高校の校章も…

南三陸町にある志津川高校。開発に関わったのは「商業部」に所属する生徒たち。物産販売を通してビジネスを学ぶ文化部だが、ペヤングが大好きな顧問に引っ張られ、部内に「研究会」を作って新商品が出るたびに試食をしてきた。

 商業部2年生 須藤颯汰さん:
ペヤングは全部好きなんですけど、辛い物シリーズが好きです

 商業部2年生 三浦航さん:
ペヤングを5段階で評価つけるなら5。ソースと麺の絡みがいいなと思います

記者:
これまでで一番好きなペヤングの味は?

 商業部顧問 根本博 教諭:
チーズMAX。チーズMAXは素晴らしかったです。MAXシリーズの中でも、焼きそば食べているのか、チーズを食べているのか、それくらいのチーズの濃厚さ

先生からも生徒からもあふれる「ペヤング愛」。2021年の夏、研究会であるアイデアが持ち上がった。

思いとアイデアを製造会社に送ってみると…

商業部2年生 須藤大斗 部長:
不定期に開いていたペヤング研究会で、先輩が自分たちで提案して、それが新商品に反映されたら面白いよねという話になって、じゃあ考えて提案してみるとなったのが始まりです

生徒たちが考えた味は約60種類。製造会社に自分たちの思いとアイデアを送ってみると、思いもよらなかった反応が返ってきた。

ペヤングホールディングス製品開発課 小島裕太 グループ広報担当:
部活でペヤングの新商品が出るたびに食べるというのと、この味はどうかとか新商品を考えてくれたりとか、ランキングを作ってくれて、すごく“ペヤングに対する愛情”が感じられて、うれしい気持ちになりました

「新商品を共同開発しませんか?」

製造会社の回答に驚きつつも、リモートで打ち合わせを重ね、10種類以上の試食を行った。その中で商品化が決まったのが、南三陸町の特産であるタコをヒントにした「たこめし風」と「わさび醤油」の2つ。

商業部2年生 渡辺晴南さん:
私たち商業部は復興市で、たこシチューやたこカツカレーなど、タコを使った商品を実際に作って販売しているので、タコが大好きな私たちが全国の皆さんにもタコを広めたくて考えた商品です

生徒たちが商品化を通じて実現したいこと

「たこめし風」の発売開始を前に、生徒たちは地元のスーパーでチラシを配り、商品のPRも行った。

そして迎えた、2月7日。沖縄を除く全国で一斉に発売が始まった。

購入した人:
デザインがいいですね。タコの絵が気に入りました

購入した人:
おいしそうです。新聞にも載っていたので気になっていて、初めて現物をみました

反応は上々。記者も試食してみると…

記者リポート:
麺とソースの絡みが絶妙で、またタコボールを食べると口の中いっぱいにタコの風味が広がって、本当にたこめしを食べているような感じで、すごくおいしいです

カップ焼きそば好きにも納得の味に仕上がった新商品。生徒たちには商品化を通じて実現したいことがあった。

商業部2年生 須藤大斗 部長:
今の中学生や高校生に、志津川高校、小さな町の高校なんですけど、全国的に有名になればいいなと思います

志津川高校は定員割れが続き、2023年度から入学者を全国募集することを予定している。全国の人に志津川高校を知ってもらいたい。新しいペヤングには、母校への愛も詰まっていた。

(仙台放送)

仙台放送
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