飲食店が調理した弁当を食べた24人が食中毒の症状を訴え、そのうちの4人と調理した従業員2人からノロウイルスが検出された。冬に多く発生するノロウイルスによる食中毒、その特徴と予防法について専門家に伺った。

“強い感染力”に警戒 家庭内の二次感染も

愛知県岡崎市の飲食店が1月18日に作った弁当を食べた24人が、下痢や嘔吐など食中毒の症状を訴えた。そのうちの4人と調理した従業員2人からノロウイルスが検出されたが、入院した人はなく、全員快方に向かっているという。

保健所は、弁当を作ったときにウイルスが付着した可能性が高いとみている。

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食中毒は夏のイメージが強いが、ノロウイルスが原因の食中毒の月別発生件数(2020年)をみると、12~2月の冬の時期に多く発生している。

ノロウイルスについて、名古屋文理大学・短期大学部の佐藤生一名誉教授に話を伺った。

ノロウイルスは牡蠣など貝類に含まれていることがある。1年中生息しているものの、乾燥と低温を好むため冬に活発化され、食中毒の症状として現れると考えられている。

潜伏期間は1~3日。症状で特に大きいのが下痢・嘔吐で、1日中繰り返すこともあり、症状は1~2日続くとのこと。現在のところ特効薬はない。

なにより怖いのが強い感染力。

ノロウイルスは、ウイルスが入った食べ物を口にする「経口感染」が大部分で、さらに感染者の便や吐いた物には大量のノロウイルスが含まれていて、これらを掃除したりドアノブを触るなどして手に付着し、家庭内で二次感染することが多いという。

ノロウイルスを防ぐには、徹底した手洗い・うがい・消毒でこのサイクルを切り離すことが大切。ドアノブや便器などを消毒し、タオルを分けたり、牡蠣などを食べるときはしっかりと火を通す必要がある。

また、吐いた物などを掃除する際には以下の点に要注意だ。

・マスク、手袋、ゴーグルを着用し、目や口や手をしっかり保護した上で行う
・ウイルスは空気中を漂うので、関係ない人は近づかない
・掃除で使用したものを捨てる際は、ビニール袋などに入れて密封して捨てる
・ノロウイルスはアルコール消毒では効果が薄いので、キッチンハイターなど次亜塩素酸ナトリウムなどが入った消毒液や漂白剤で消毒する

(東海テレビ)

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