夏じゃないから大丈夫…油断に忍び込む「秋の食中毒」

秋の食中毒について、その原因と予防のポイントを専門家に伺った。

三重県東員町の洋菓子店で、10月1日と2日に販売されたケーキなどを食べた客20人に食中毒の症状が確認され、複数の患者の便からサルモネラ菌が検出された。

また愛知県南知多町の飲食施設でも、10月10日に食事をした客11人に食中毒の症状が確認された。

いずれの患者も、現在は快方に向かっている。

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食中毒は夏に発生するイメージがあるが、実は2020年度に「食中毒の発生件数」が一番多かったのは10月だった。(※患者数は夏場が一番多い)

食品事情に詳しい名古屋文理大学短期大学部の佐藤生一教授によると、秋の10月に食中毒の発生件数が増えるのには3つの理由があるとのこと。

1つ目は、さまざまな原因の乱立だ。

夏はサルモネラ菌など「細菌性」の食中毒が多数を占め、冬はノロウイルスなど「ウイルス性」の集団食中毒が多くなるが、秋はこれ以外にもさまざまな原因の食中毒が起こるとのこと。

例えば「サルモネラ菌」や「ノロウイルス」、海水魚などに付着している「腸炎ビブリオ菌」、酸素がなくても増殖し、カレーなどの煮込み料理でも発生する「ウェルシュ菌」など。

さらに、旬を迎えるキノコやフグなどによる「自然毒」は、毒性が強く致死率も高いので要注意だ。そして、サケや秋刀魚といった秋においしい魚に寄生するアニサキスなどの「寄生虫」は、摂取してしまうと激しい腹痛や嘔吐などが起こる。

2つ目の原因は、秋の行楽シーズンによるもの。バーベキュー・運動会・お祭りなど野外での食事の機会が増えることで、手作りのおにぎりなどを食べて家族単位での食中毒が多くなる。

最後は、夏は対策していても秋は大丈夫だろうという“油断”だ。衛生管理が疎かになることで食中毒にかかる例も多いとのこと。秋は気温は下がるが、菌が活動しなくなるわけではないので、佐藤教授はまさに「油断は禁物」と指摘している。

秋の食中毒を予防するポイントについても、佐藤教授に伺った。

まず調理では「食材をよく洗う」「十分な加熱」「器具の熱湯消毒」などに加え、特に気を付けなければならないのが、魚に付いていた菌がまな板を介して野菜などに移るような「二次汚染」だ。防止するためには「まな板を分ける」「すぐに洗う」といった対策がある。

また、食材を保存するときは「しっかりと密閉すること」「素早く低温保存すること」が大切だ。

そして、手洗い・うがいといった基本的な感染対策を徹底してほしいと話している。

(東海テレビ)