電車利用の際に、車内に忘れ物をしてしまった経験はないだろうか。

関東に住む28歳会社員のGIraFFEさん(@Natt82009413)は仕事で長野へ向かう際、新幹線を利用し、タンブラーを車内に忘れてしまったのだそう。

そこでJR西日本に連絡を取ったところ、タンブラーは配送で無事に戻ってきた。その際に、富山駅社員からの“粋な計らい”も付いていたというのだ。それがこちら。

タンブラーと共に送られてきた富山駅員からの粋な計らい(提供:GIraFFEさん)
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新幹線の切符を模した「お届け物特急券」というメッセージカードで、乗車区間は「富山駅→お客様」。大きさは新幹線の切符と同じくらいだそう。

そして「お客様の大切なお品、お届けいたしました」という一文の横には、お届け済みのスタンプが押され、そこには富山弁で「また来てください」の意味の「また、こられ」という文字もあった。

さらに、裏面にはこんなメッセージも。

日頃より、JR西日本をご利用いただき、ありがとうございます。
富山駅にてお預かりしておりました、お客様の大切なお品をお送りいたしました。どうぞ、ご確認下さい。
不安な気持ちになられたことと思われますが、無事お客様へお渡しできて、私たちも嬉しく思います。
今後ご利用の際、大切なお品が寂しい思いをなさいませんよう、安心してご旅行できますことを祈念いたします。
魅力あふれる富山へ、またお越しください。

JR富山駅社員一同

遊び心がありながら、細部までこだわったデザインやメッセージからは、忘れ物をした人のことを思っての富山駅社員の心遣いを感じる。

受け取ったさんGIraFFEさんも、これには「粋だなぁ、落とし物なんてたくさんあると思うので、この一手間すごいなぁと思いました」と話し、家族とも「富山に行きたいね」となどと会話をしたという。

Twitterでも「ほっこりさせていただきました」「粋な計らいに、震えています」「最高のおもてなし。素晴らしい心遣い」と多くの人が感動し、2万4000のいいねが付く話題となっている(2月4日時点)。

「お客様に寄り添ったサービスをしたい」

忘れ物をしてしまったという悲しい思い出を、素敵な形に上書きしてくれる富山駅社員の心遣いだが、いつ頃からこのメッセージカードを付けているのだろうか?

富山駅を管轄する JR西日本金沢支社の広報担当者に話を聞いてみた。


ーーいつ頃からメッセージカードを付けているの?

2021年6月1日より郵送するお忘れ物にメッセージカードを付けております。富山駅社員より郵送するお忘れ物にメッセージカードをつけたいと提案がありました。

お忘れ物を郵送で送る際はお客様と電話で対応させていただくことが多いのですが、電話での対応が機械的になっている印象を受けたので、もっとお客様に寄り添ったサービスをしたいと思い、メッセージカードを付けたいとのことでした。それからはその社員が中心に富山駅社員と協力しながら作成しました。

メッセージカード 裏面(提供:GIraFFEさん)

ーー忘れ物配送には必ず付けているの?

富山駅から郵送するお忘れ物には、メッセージカードを付けさせていただいております。


ーーデザインはどのようにして決めたの?

JRらしいデザインがいいと思い、お客様にとって身近な切符のデザインにしました。

「また、こられ」「お体に気をつけて」の2種類

ーーメッセージカードのこだわった点を教えて。

2種類メッセージカードがあり、県内のお客様用と県外のお客様用とに分けています。県内のお客様は通勤・通学で定期利用される方や交通手段としてよく利用されます。ですので、いつもご利用いただいている感謝の思いからスタンプは「お体に気をつけて」としています。

県外のお客様は観光や出張等でご利用いただき、遠方からお客様もいらっしゃいますので、ぜひまた富山にいらっしゃってほしいという思いから、富山弁で「また、こられ」(また来てください)にしました。            

メッセージは2種類のメッセージカードどちらとも、お忘れ物をされたお客様の不安な気持ちに寄り添う内容にしています。

県外のお客様用「また、こられ」スタンプ(提供:JR西日本金沢支社)

ーーSNSで大きな話題となっているが、それに対してはどう感じている?

活動をはじめ半年以上が経っていましたので、このような反響に最初はびっくりしました。お忘れ物はどれもお客様の大切な品であり、手元から離れると不安な気持ちになってしまい、せっかくのご旅行も嫌な思い出になってしまいます。そんなお客様の気持ちに寄り添い、少しでも温かい気持ちになっていただき、次回からも安心してご旅行していただきたいという気持ちで作成したメッセージカードです。

お客様に喜んでいただけたのは本当にうれしいですし、私たちの励みにもなります。今回のSNSで投稿されたお客様をはじめ、多くのお客様の温かい声を力に変え、今後も富山駅をご利用のお客様には精一杯のおもてなしをしていきます。


ーー電車利用の際の忘れ物に対して、どう思っている?

冬の季節は、傘などの忘れ物には十分注意していただきたいのですが、マフラー、手袋などの冬物衣類のお忘れ物も増えてきます。列車ご利用で下車される際にはもう一度身の回りを確認いただきたいと思います。

県内のお客様用「お体に気をつけて」スタンプ(提供:JR西日本金沢支社)

ちなみに、2021年度(1月まで)のJR西日本金沢支社(福井・石川・富山の北陸3県)での遺失物件数は約3万7000件。忘れ物の件数として一番多いのが傘だという。このような忘れ物は拾われてから4~7日後に警察署へ届けられる。

それまでにJR西日本金沢支社管内の場合、金沢お忘れ物センター(駅に保管の場合は駅)に受け取りに行く、難しい場合は郵送で返却の対応をしているという。

メッセージカード 左:表 右:裏(提供:GIraFFEさん)

うっかり落とし物をしてしまった乗客に寄り添ってあげたい。そんな優しい富山駅社員の気持ちから誕生したのが、このメッセージカードだった。

しかし皆さんには、そもそも忘れ物をしないよう、移動の際には持ち物に注意して電車を利用してほしい。

新幹線に忘れてしまった タンブラーが富山駅に届いていました

関東に住んでるのでタンブラーのために
富山まで行くのはなぁの思ったのですが
郵送で送ってくれました

開けてみたら
粋なメッセージカードもついてて感動
富山駅のみなさん素敵です!

次は目的地として伺います!

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。

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