来週1日2万4074人感染か 

「誰もが感染者や濃厚接触者になる可能性があることを意識し、自ら身を守る行動を徹底する必要がある、としました」 東京都のモニタリング会議では、新規感染者の7日間平均が先週の4555人から1万467人大幅に増加、このままだと来週2月3日には、1日当たりの感染者は2万4074人、との試算が示され、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、「爆発的な感染状況になる」と述べた。 

大曲氏は「このままでは爆発的な感染状況になる」との危機感を示した
大曲氏は「このままでは爆発的な感染状況になる」との危機感を示した
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10代以下2割に 家庭内もさらに増 

年代別の割合を見ると、最も高いのは10代の28.6%だが、10代以下の割合も上昇、10歳未満10.3%、10代12.0%で、合わせると2割にのぼる。 

感染経路別では家庭内感染が先週の51.6%から更に増え56.8%に、次いで学校や高齢者施設、病院などの施設内が18.9%、職場9.2%などとなった。 

感染者の2割はを10代以下が占める事態に
感染者の2割はを10代以下が占める事態に

自宅療養 体調急変は「自ら電話」

自宅療養者が日々過去最多更新となる中、都は自宅療養サポートセンター「うちさぽ東京」を1月31日に開設する、と発表した。 40代以下の健康な人が対象で、体調急変時には自ら「うちさぽ東京」に電話をし、状況に応じて入院・宿泊療養につなげるという仕組みだ。 

「最初に医師がみます」 東京都医師会の猪口副会長は、自宅療養に入る前には医師が診断する、と強調。 「自宅療養者は、健康観察を必ずしも毎日しなくていい人がかなり多い」と現状を話し「体調急変時に自ら連絡をするシステムにすることで、保健所や医療機関の逼迫を軽減し、本当に医療が必要な患者に届くようにできるのでは」という狙いも述べた。 

東京都モニタリング会議資料より
東京都モニタリング会議資料より

ベビーシッターも検査対象に 

「お世話をするお子さんや、そのご家族の安心も確保して」 子供たちの感染も急拡大し、保育園・幼稚園、小学校などが休みや分散投稿などとなるなか、小池知事は子供たちの居場所を作る必要がある、として小学校の空き教室を提供する区市町村の支援、都が行う集中検査をベビーシッターにも対象拡大することを明らかにした。 

東京都モニタリング会議資料より
東京都モニタリング会議資料より

病床使用率9割に? 

「余力があるというところまではない。ぎりぎりのところまで来ている」 病床使用率が4割を超え、緊急事態宣言の要請を検討する目安の5割は目前だ。 今週の入院率が3.7%で感染者数の増加ペースがこのままだとすると、1週間後には入院患者が6235人になる、との試算が示された。 これは、確保病床の9割にのぼる。猪口副会長は、医療現場の厳しい状況を吐露した。 

医療現場の現状について、猪口氏は「ギリギリのところまで来ている」と訴えた
医療現場の現状について、猪口氏は「ギリギリのところまで来ている」と訴えた

定例会見もオンラインに

「あすからは記者会見もオンラインで」 小池知事は明日から当面の間、定例記者会見をオンラインで行う。これまでの5回の感染拡大でも会見をオンラインにすることはなかったが、これも感染力の強いオミクロン株ならではの対策だろう。 

オミクロン株 急増するも減少は緩やかか

「増えるスピードは速いけど(それに比べて)減るスピードは遅い」 当初、都庁内でもオミクロン株は早く広がりやすい一方で、ピークになったら 落ちるのも早いのでは、との見方が多かった。  しかし、ある関係者は見方が変わった、と話す。 「沖縄などをみていると、 感染者が増えるスピードは速いけど(それに比べて)減るスピードは遅いので、 このあとは減るにしてもゆるやかだろう」  

オミクロン株との戦いは“意外な長丁場”になる、との見方出る中、感染拡大のピークが見えてこない。 自らの体調の変化に気をつかいつつ、これまで以上に「密」をさけ感染予防対策を徹底する日々は、これからが“本番”なのかもしれない。 

小池知事の定例会見もオンライン方開催へ。異例の事態に
小池知事の定例会見もオンライン方開催へ。異例の事態に
社会部
社会部

今、起きている事件、事故から社会問題まで、幅広い分野に渡って、正確かつ分かりやすく、時に深く掘り下げ、読者に伝えることをモットーとしております。
事件、事故、裁判から、医療、年金、運輸・交通・国土、教育、科学、宇宙、災害・防災など、幅広い分野をフォロー。天皇陛下など皇室の動向、都政から首都圏自治体の行政も担当。社会問題、調査報道については、分野の垣根を越えて取材に取り組んでいます。

小川美那
小川美那

「お役に立てれば幸いです」 見てくださる皆さんが“ワクワク&ドキドキ”しながら納得できる情報をお伝えしたい! そのなかから、より楽しく生き残っていくための“実用的なタネ”をシェアできたら嬉しいなあ、と思いつつ日々取材にあたっています。
フジテレビ報道局社会部記者兼解説委員。記者歴20年。
拉致被害者横田めぐみさんの娘・キムヘギョンさんを北朝鮮でテレビ単独取材、小池都知事誕生から現在まで都政取材継続中、AIJ巨額年金消失事件取材、TPP=環太平洋経済連携協定を国内外で取材、国政・都政などの選挙取材、のほか、永田町・霞が関で与野党問わず政治・経済分野を幅広く取材。
政治経済番組のプログラムディレクターとして番組制作も。
内閣府、財務省、金融庁、総務省、経産省、資源エネルギー庁、農水省、首相官邸、国会、財界(経団連・経済同友会・日商・東商)担当を経て現在は都庁担当。