3回目接種を急ぎ進めて、重症化減らしたい
愛知県で1月24日から始まった3回目の「大規模接種」の会場となっている、豊明市の藤田医科大学病院。この会場全体の指揮をとる岩田充永副院長に話を伺った。
藤田医科大学病院では、初日の24日は朝9時から接種が始まった。以前も大規模接種の会場となった経験があり、混乱などはなくスムーズに接種が進んでいる印象だ。
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接種を終えた女性は「ここ最近の感染状況を受けて、とにかく早く接種を終えたかった。今は接種を終えて一安心」と話していた。また、豊田市から来た男性は「自宅周辺の会場に予約の空きがなく、なるべく早く打てる場所を探してここに来た」と話していた。
24日の大規模接種、そして今後の感染状況について、岩田充永副院長に伺った。
――24日の接種の様子はどうだった?
岩田副院長:
まだ接種券が届いていない方もいるので550人と少なめで、非常に順調に進んでいる。今週末には1000人を超える方に打っていただけるが、順調に進むのではないかと安心している。2カ月ぶりの大規模集団接種だったが、久しぶりに愛知県の方ともお会いして、「またこの場所からみんなでワクチンを打たせていただいて、県民の皆さんと一緒にこの第6波を乗り越えよう」という思いを共有して取り組んでいる
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――1月22日(土)には、愛知県の新規感染者数が3457人と4日連続で過去最多を更新した。この状況はどのように受け止めている?
岩田副院長:
オミクロン株の感染力の強さ、ワクチン接種をした方の症状の軽さから、感染者が増えるだろうというのは想定をしていたので、まだしばらく感染者が増えることは想定されるが、ここで3回目のワクチン接種を大急ぎでやっていくことで、なんとか重症化する人を減らしていきたいと思う
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――この急速な感染拡大について、何が起きていると考えられる?
岩田副院長:
感染力が強いウイルスになってしまったということ。感染した方も、特にワクチンを打った方は比較的軽い症状で、まさか自分が感染していると思わず日常生活を送っているということ。この両方が、感染者が増えていってしまう要素になっているのではないかと思う
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――愛知県でも病床使用率がじわじわと上昇して30%を超えた。危機感は?
岩田副院長:
入院患者に関しては、第5波のような人工呼吸器が必要とか、生命の危機があるという方は非常に少ない。もともと重い持病がある方が感染してしまい、持病が悪化しないかを慎重に見るような方が多いので、入院患者に関してはまだ差し迫ったような感じはない。ただ、小学校や保育園が休園になってしまって、職員がどうしても出勤できないという人が増えている方が、私たちは心配になっている
政府や自治体の対応 どう受け止めたか
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――21日(金)から東海3県でも「まん延防止等重点措置」が適用された。オミクロン株の状況下でのこの措置について、どのように思う?
岩田副院長:
私個人的にはかなり意外だなと。今回はワクチンや重症化を予防する治療薬があるので、第6波に関しては感染者が増えていっても、社会活動を止めないという方向にいくと覚悟をしていたので。今回のまん延防止措置は、かなり安全運転を目指しているんだと感じた
先週、政府分科会の尾身会長から「人数制限がキーワードで、ステイホームは必要ない」という発言があり、その後トーンダウンはしたものの「人流」ではなく「人数制限が望ましい」としている。
これに対し、東京都の小池知事は「外出自粛を」と呼びかけている。政府と自治体で意見が分かれたメッセージが出される形になった。
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――2人の意見はどう捉えている?
岩田副院長:
どちらも様々な思いがあっての発言だが、現在、半分近くが家庭内の感染であるということ、おそらく尾身先生が社会活動をこれ以上止めることのリスクを考えられて、外での感染リスクの高い、多人数での会話という点に重きを置いて「人流よりも人数」という発言をされたと、医療者として解釈している
――オミクロン株については、どんなことが分かってきた?
岩田副院長:
感染力が非常に強いので、普通に気を付けて生活をしていても誰が感染してもおかしくない。ただし、明らかに今までの重症化を予防するための薬で重症化予防はできる。重症化しやすい人が少しでも体調変化を起こしたら、早めに検査を受けて予防の薬につなげていく。感染しても重症化させないことに全精力を注ぐべき感染症だと思う
――収束のメドはどのくらいになりそう?
岩田副院長:
おそらくオミクロン株というのは、陽性者と接触してから3日から5日以内に感染が判明することが多い。数は増えるけれどもそんなに長くは続かないので、この波も2月には収まっているだろうと。私たちはできるだけ社会活動を戻していく方向に考え方を変えていくのが、この2月から大事なところなのではないか
(東海テレビ)