寒い時期、お鍋の具材としても人気なのが、きのこ類。沖縄県産のおいしい椎茸を多くの人の食卓に届けたいと奮闘する農家を取材した。
沖縄では菌床栽培が主流
ヘルシーで栄養価が豊富な椎茸。栽培方法は原木に穴を開け、そこに菌を植え付けて発生させる「原木栽培」が知られている。
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資源となる木が県外と比べて少ない沖縄では、おが粉と栄養となる米ぬか等を混ぜて作った「菌床栽培」が主流だ。
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八重瀬町にある南ヒラタケ生産組合では、沖縄県産の原木を使用した菌床椎茸作りが行われてる。30年以上前からきのこを生産している本部強さん。跡を引き継ぐのは、息子の圭志さんだ。
南ヒラタケ生産組合代表 本部強さん:
椎茸は最初作るのが難しくて、菌を変えたら出なかったりして大変だった
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南ヒラタケ生産組合従業員 本部圭志さん:
物心ついたときから(父は)きのこ栽培をやっていました。苦労している所も知っているので凄いと思います
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菌床作りを協力して行っている名護朝敬さん。
有限会社ドリーム企画代表 名護朝敬さん:
3年前(2018年)から共通の課題を克服していこうと、本格的に一緒にやるようになりました
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菌床作りにおいて、作る環境の変化やおが粉の原料となる木の種類などで菌床の状態は変わり、その都度調整が必要になる。試行錯誤の結果、菌床椎茸作りを始めた頃は、年平均300キロだった収穫量が約600キロと2倍まで増えた。
菌床製造地と産地を表示「責任ある仕事を」
南ヒラタケ生産組合従業員 本部圭志さん:
原料からこだわって作りたいので、原木の産地も県産で。皆さんに安心安全で提供できるようにこだわっている
一般的に、菌床は県外や海外で作られたものでも、栽培地が沖縄であれば、きのこの産地は「沖縄県産」になる。しかし、2020年3月に消費者庁の食品表示基準Q&Aが改正され、菌床の製造地も表示することが望ましいと追記された。
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有限会社ドリーム企画代表 名護朝敬さん:
表示をすることで、責任を持ってしっかりとしたものを作るのが自分たちの仕事だと思っていますので、ぜひ皆さん表示を注意しながら見てもらいたい
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殺菌窯で菌床(きのこの種菌を打ち込む前)のおが粉に入っている菌を、約98度で6時間かけて完全に殺菌。
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培養室では、無菌になった菌床にきのこの種菌を打ち込み、20度で設定された培養室で約90日間培養する。
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南ヒラタケ生産組合従業員 本部圭志さん:
90日培養した椎茸のブロックを、今から発生舎に並べて袋を開けて行きます
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320個並べた菌床に水をかけ、1週間かけて椎茸の発生を見守る。
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椎茸の生育・収穫を家庭でも楽しめる
南ヒラタケ生産組合では、椎茸を収穫して販売するだけでなく、菌床の出荷も行っている。
南ヒラタケ生産組合従業員 本部圭志さん:
こんな感じで菌床ブロックを2000個出荷します
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おが粉を供給してくれている北部森林組合の協力のもと、トラックに次々と菌床が運び込まれ、家庭で椎茸の生育・収穫を楽しみにしているお客さんへ届けられる。
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リピーターのお客さん:
毎年買っています。友達や親戚に配るのが非常に楽しみ。料理はバター炒めとかにして、コリコリとした感触があって非常においしいです。こんなきのこは見たことが無いって、評判が良いんです
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初めて購入するお客さん:
作っている方から頂いてるんですけど、新鮮で香りも良くておいしいものですから、やってみたいなと思いまして。ワクワクしています
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自信が持てる椎茸を作り、多くの人に食べてもらいたい
菌床を発生舎へ移して1週間後、大きな椎茸が育っていた。
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南ヒラタケ生産組合従業員 本部圭志さん:
最初はちょっと少ないかなと思ったんですけど、実際見てみたら例年通りちゃんとできてますね。たくさん出ているので嬉しいです
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南ヒラタケ生産組合代表 本部強さん:
後は、圭志に引継ぎして応援するだけ
南ヒラタケ生産組合従業員 本部圭志さん:
僕もまだまだ勉強不足なんですけど、しっかりやっていきたいと思います。まずは自信が持てる、どこに出してもおかしくない椎茸を作って、たくさんの人に食べてもらいたいです
(沖縄テレビ)