来週1日あたりの感染者1万8266人に
「感染の拡大が急速にすすんでおります、社会活動の停止を余儀なくされる可能性がございます」 都のモニタリング会議では、感染者数の7日間平均は4555人で先週の約4倍、先々週の33.7倍となり、このままだと来週27日には1日当たりの感染者が1万8266人に達する、との分析が示された。 都は感染状況の警戒度を最も高い「大規模な感染拡大が継続している」に引き上げた。
高齢者の感染急増で医療機関への負荷が長期化
「危惧してた高齢の方、65歳以上の新規の陽性者の数が急に増えています」 国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、今回は感染の流行が始まってから比較的早く高齢の新規感染者が増えている、と指摘した。
この記事の画像(7枚)「やっぱり入院数比率が高い、もちろんご高齢者が重症化していく率が非常に高い」 東京都医師会の猪口正孝副会長は、第五波の経験から、高齢者は重症化した後、長期入院となり、医療機関に将来的に長い期間に渡ってかなりの負荷がかかってくる、と先行きへの危機感を強く示した。
10歳未満と10代が約2割
「10歳未満と10代の割合が上昇しています」 年代別の新規感染者の割合をみると先週4.2%だった10歳未満は6.3%に、8.3%だった10代は12.2%に。 10代以下の若年層で全体の約2割となった
小学校が比較的少ないワケは・・・
感染経路は家庭内感染が5割を占め、次いで高齢者施設や保育園などの施設内が13.1%、会食が10.3%となっている。 都の担当者に聞くと、保育園、幼稚園の感染が急拡大、次いで、中学・高校・大学、小学校は比較的少ないという。
保育園児や幼稚園児は感染予防対策が難しく、中学・高校・大学は部活での感染が多くみられるとのこと。幼児より感染予防対策ができて、部活がない小学生が比較的少なくなるのだろう。
医療提供体制も警戒度引き上げ
医療提供体制については、東京都の発熱相談センターへの相談件数が1.7倍に急増、 搬送に時間がかかった場合に適用される「東京ルール」の件数も過去最多となり、「通常医療を制限し体制強化が必要な状況」として警戒度が上から2番目に引き上げられた。
人流抑制と人数制限は「矛盾しない」
「必ずしも矛盾しないところだと思ってます」 政府分科会の尾見会長が「人流抑制より人数制限」といったことについて、東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は、「リスクの高い行動につながる夜間の滞留人口などについては、引き続き重要であるという趣旨のお話をされていたかと思う」として、人流抑制と人数制限は矛盾する話しではない、との見方を示した。
自宅療養はグラデーションに
「自宅療養はグラデーションにならざるをえない」 ある関係者は、1日の感染者は2万人までは増える、との見方を示した上で、「それが10日続けば感染者は20万人になる。一つの自治体くらいのボリューム。それを全て健康観察することになる」と顔を曇らす。
その場合は軽症・無症状とされる自宅療養者でも、本当に軽い人から、入院ギリギリの人まで「グラデーション」がでてくるため、本当に軽症と思われる人はSNS管理だけになる一方で、体調が急変した人に本当に対応ができるのか、など先行きへの懸念を示した。
このため、都は自宅療養者の健康観察や往診をした医療機関に対し協力金を支払う制度を急遽作ったが、現場からは「どこから指示がきて、どこを受け持つのか等、混乱している」との声もあり、情報共有体制の整備が急務だと思われる。
一般病棟の逼迫が明確に
「先週1週間は一般病棟の逼迫が明確になった。今週1週間はコロナの入院がきつくなる」 ある専門家は、コロナ病床の確保のため、制限されている一般病床が“満員”状態だと話す。医療関係者からは「脳梗塞や心筋梗塞が増える時期なのに、受け入れられなくなる」との声があがっているという。
そして、コロナ用の病床使用率の上昇が思ったより早く、今週の“上がり方”で今後の逼迫度合いが見えてくる、とのことだった。
オミクロン株はすぐ横に
「オミクロン株はすぐ皆さんの横に迫っていると思う」 不用不急の外出自粛も呼びかけ強い危機感を示し、基本的な感染予防対策の徹底をよびかける小池知事。 感染力の強弱があろうとも、結局は1人1人の対策にかかっている。
(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)