宮崎県日南市の殿所地区では、地域住民がボランティアで高齢者を車でお店に送迎する、買い物支援活動を始めた。高齢化が進む中、住民同士が支え合う取り組みを取材。

5km以上離れた店まで月に2回送迎

日南市殿所地区。人口415人のうち、65歳以上が約45%を占める高齢化の進む地域だ(住民基本台帳より、2021年4月1日現在)。

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この地区には日用品を取り扱うお店がなく、バスも走っていないため買い物に困る高齢者がいる。こうした中、2021年10月、地区住民による高齢者への買い物支援活動が始まった。

この地区のサロン会の会長で、殿所自治会の福祉推進委員会会長を務める井上勝吉さん。同じ地区に住む山口章さんと2人で、移動手段のない高齢者を地区から5km以上離れたお店まで月に2回、ボランティアで送迎している。

買い物支援活動を行う・井上勝吉さん:
お店がないものですから、結局は街に出ないとだめだと。街に出るには何もないと。車がないからですね。高齢者の方々に手助けをしないといけないなと思ってやっています

送迎に使う車は、日南市社会福祉協議会の買物支援サービス事業を活用し、協議会からガソリン代も含め無償で借りている。

「ありがたい」「楽しみ」荷物は利用者の玄関先まで

利用者:
もうめったに出かけないから、楽しみで楽しみで

この日は、サロン会の会員5人が送迎を利用。利用者たちはお店に到着すると、食料品や衣料品など約1時間、思い思いの買い物を楽しんだ。

利用者:
夜のお惣菜を買いました。いい運動になりました

利用者:
これが楽しいんですよ、買わなくてもね。あぁ素敵って、見て回るのが好きなんですよ

利用者:
ありがたいです。その分だけ買いだめしておけばいいから

買い物をした後は利用者を車で自宅まで送り、購入した荷物も玄関先まで運ぶ。

地域の住民による高齢者の買い物支援の取り組みは、住民同士がふれあいを持つ機会になっていて、孤立化や引きこもりの予防にもつながっている。

高齢者見守りにも…担い手確保が課題

一方で課題もある。送迎には車を運転するドライバーと補助員の2人が必要で、今後は担い手の確保が重要となる。

買い物支援活動を行う・井上勝吉さん:
なかなかボランティアでやろうという方は少ないでしょうが、誰かが手を上げてしていただくと助かるのではないか、地区の方が喜んでくれると思います

日南市社会福祉協議会では殿所地区の活動をモデルケースに、この取り組みを他の地区にも広げていきたいとしている。

地域の住民同士が支え合う買い物支援の取り組みは、高齢者の見守りにもつながっている。各地で高齢化が進む中、地域コミュニティを守っていく1つのヒントになりそうだ。

(テレビ宮崎)

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