“密回避の新システム“を導入…感染対策を徹底し客を迎えるスキー場

東海地方のスキー場は、シーズン本番を迎えている。
近年の雪不足や、新型コロナの影響で厳しい経営が続いているスキー場だが、今冬は雪にも恵まれ客足が戻りつつある。
岐阜・郡上市にあるスキー場を取材すると、「リフト券の自動発券機」などの”密回避”の新システムや、雪不足を解消する「最新の造雪機」を導入し、大勢の人を迎えていた。

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岐阜・郡上市にあるスキー場「ダイナランド」。2020年のシーズンは、新型コロナの影響で思うように営業できなかった。
しかし、2021年の年末は、ゲレンデには大勢の人が訪れていた。

男性客A:
いいですね、雪が柔らかくて

子供:
去年(2020年)行ってなかったから、ちょっと不安だったけど、結構できた

男性客B:
今日は滋賀県から来ました

県外からのお客さんも戻って来ているようだった。

男性客C:
できるだけ家族で滑るようにしているのと、人が多い所ではマスクを付けて

屋外で過ごす時間の多いスキーだが、皆さんしっかりと感染対策。リフト券は、あらかじめホームページで購入しておけば、スマホを使って自動発券機から受け取ることができる。

ダイナランドの担当者:
無人で発券できますので、並んだりの“密”を回避する効果も期待しています

ちなみに、リフトに乗るときは自動改札になっていて、人との接触を防ぐことができる。

年末年始は例年並みまで回復…シニアやファミリー向けて打ち出し

リフトに乗り、標高約1400メートルの山頂へ。このあたりでは、パウダースノーを満喫することができる。

男性客D:
ダイナランドは隣の高鷲スノーパークとつながっているから、広いので幅広く楽しめます

男性客E:
家族は神戸からで、私は小牧から。単身赴任で来ています

レンタルコーナーには、三重県から20年ぶりに滑りに来たという夫婦が…

男性客F:
マラソンやっているんだけど、マラソンの大会が今少ないので、日にちが空いちゃって…

このスキー場では、2020年から55歳以上のシニア限定のレンタル料金の割引サービスをスタート。

また子連れの家族向けに、ソリ専用のゲレンデや、室内遊具のスペースも設けられている。
こうした取り組みもあってか、この日は幅広い年齢層の3000人以上のお客さんが来場した。

年末年始は、ほぼ例年並みの入場者数に持ち直したという。

“雪不足”も解消…低コストで運用可能な最新の造雪機導入

近年スキー場を悩ませてきた“雪不足”。2019年にはゲレンデの土がむき出しになるほどで、多くの施設が満足に営業できない状態に。

そこでダイナランドでは、2021年のシーズンから最新の造雪機を導入。人工雪はコストがかかることがネックだったが、新型は従来のものに比べ、約半分の費用で運用できるとのこと。

同・担当者:
1日でも長く滑っていただくために、しっかりと雪を確保したい

正午。レストランは、ゲレンデから戻った多くのお客さんで賑わっていた。このレストランでは、郡上の名物・鶏ちゃんをアレンジした「ダイナ鶏ちゃんビビンパ丼」(1200円)や、カレーとハヤシ2つの味が楽しめる「Wソースのふわとろチーズオムライス」(1400円)などが楽しめる。

ちなみに、家族向けに靴を脱いでくつろげるファミリー席も用意されている。

男性客G:
ありがたいですね。スキー場でこういうところないので、家族連れには助かるスペースです

スキー場が生み出す地元の雇用

多くの人が訪れるスキー場は、地元に雇用も生んでいる。

入社2年目の地元・郡上市出身の女性スタッフにとって、ダイナランドは小さい頃から何度も遊びに来た馴染みの場所だ。

入社2年目の地元出身のスタッフ:
最初(入社当時)からコロナ。普通の営業の仕方も知りたかったけど…。コロナでごちゃごちゃして、こんな仕事って大変なんやって思いました

今シーズンから本格的に仕事をおぼえ始めたというこの女性は、大変と話しながらも嬉しそうだ。

「コロナ収束を祈りながら打ち上げたい」…夜のゲレンデ彩る大輪の花

午後4時半。この日はちょうど花火の開催日で、ゲレンデでは準備が始まった。9年前から始めた毎年恒例の打ち上げ花火だが、2021年は一度しか開催できなかった。

花火の担当者:
また(新型コロナが)流行してしまうと中止に…。そういうことが無いように祈りながら、打ち上げたい

午後7時50分。打ち上げの時間が近づくと、お客さんが次々とゲレンデにやって来る。約10分間に打ち上げられる700発の花火。真っ白なゲレンデに輝く光は、夏の花火とはまた一味違う魅力がある。

男性客H:
最高でした

女性客:
今年(2021年)初めて見た花火だったので、感動。お祭りとかも無かったので、すごい思い出に残りました

ダイナランドの担当者:
皆さんがもう一度、安心して自然の中で遊ぶような時が来ることを、心から待ち望んでおります

シーズン本番を迎えた岐阜・郡上市のスキー場を取材すると、しっかりとした感染対策と様々なイベントを企画し、たくさんのお客さんを迎えていた。

ダイナランドによると、30年前のスキーブームの頃に青春を送った50代以上のスキーヤーが少しずつ増えてきているという。
また交通事情にも大きな変化があり、30年前には名古屋から6時間ほどかかっていたのが、今では高速道路を使い1時間半ほどで行ける手軽さも、集客につながっている
「ダイナランド」のゲレンデで行われる花火の次回の打ち上げは、2月12日の予定。

(東海テレビ)

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