緊迫が続く中東情勢。原油由来のナフサを使う製品など、さまざまな物の供給が不安定となっている。身近な生活用品にも波及するなか、福岡県内のホームセンターを取材した。

店頭から消えたナフサ由来商品

ホルムズ海峡が事実上封鎖され、緊張が依然続く中東情勢。原油の高騰や資材不足による、さまざまな影響が広がっている。

23万種類の商品が並ぶハンズマン大野城店(福岡・大野城市)
23万種類の商品が並ぶハンズマン大野城店(福岡・大野城市)
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福岡・大野城市にあるホームセンター『ハンズマン大野城店』。一般消費者向けの日用品や、職人が使う道具など約23万種類が販売されている。しかし―。

ガラ空きの商品棚
ガラ空きの商品棚

一部の棚には殆ど商品がない。塗装用の道具があった筈なのだが『お1人様5巻まで』の注意書きが貼られている。但し書きには、イラン情勢を受けて品薄状態と記されていた。店で特に品薄になっているのは、ナフサ由来の商品だ。

「お1人様5巻まで」と記された張り紙
「お1人様5巻まで」と記された張り紙

『ハンズマン大野城店』の荻野博美・店長が「ここはシンナーの売り場になります。塗料を調合するのに薄めるなどに使います」と案内するが、棚は“空”の状態だ。

「入ってきては売れ、入ってきては売れの状態。追いついてない状況ですね」と話す。

「ちょっと、いよいよまずいかな」

シンナーやマスカーテープなどの棚は、ほぼ“空”。いずれもナフサを原料として作られているが、メーカーからの入荷は徐々に減少。現在は通常の半分ほどしか入荷してこないという。一部の商品は3月半ばごろから品薄で、4月からはその数がさらに増えつつある。

「エンジンオイル。まさにオイルを使うものなんですけど、2~3週間前から少しずつ供給が遅くなってきて…」と荻野店長が次に案内してくれたのは、車に使うエンジンオイルのコーナー。

さまざまなメーカーのものが販売されているが、買いだめする人も増えているという。

モーターオイルの棚だが…
モーターオイルの棚だが…

こうした状況に、店に来ていた買い物客は「きのうも来たんですけど、やっぱりきょうもなかったので、ちょっといよいよまずいかなと思って」(男性)。「どこ回ってもないんですよ。2~3件、回ってきて、やっぱりない。ちょっと困ったなと思って」(男性)と困惑の表情だ。

「メーカーさんに密に協力をもらいながら入荷を協力頂いていますが、安定した供給ができるのは、まだ目星がついていない状況です」(『ハンズマン大野城店』荻野博美・店長)。

「前年実績での供給が可能」と主張する高市早苗総理だが、政府と現場の認識にズレが生じているといえそうだ。先が見通せない状況が続く。

持続可能な航空燃料『SAF』の原料を…

一方、福岡・北九州市では、持続可能な航空燃料『SAF』の原料を生産している工場が、公開された。

北九州市若松区にあるサニックス資源開発グループひびき工場で生産されているのが、飲食店や食品工場から排出される廃水や汚泥などの産業廃棄物から作られる『再生油Bio(R)』だ。

再生油Bio(R)は、重油の代わりの燃料として注目されていて、この工場では年間約2500万トン作っている。この再生油Bio(R)を使って、持続可能な航空燃料SAFの原料を作る実証実験が、4月から始まっている。

持続可能な航空燃料SAF。環境への負荷が少なく、従来の航空燃料と比べCO2を大幅に削減できる次世代の燃料として、大手航空会社でも導入が進んでいる。

工場では4月から再生油Bio(R)でSAFの原料を作る実証実験を始めていて、年間3600トンの生産を目指している。

サニックス資源開発グループひびき工場の森下楽嗣・工場長は「元の原料が『グリストラップ汚泥』で、製品がバラバラなので、製品に対してどのような影響が出るのか分析しながら確認を取っていく」と期待を寄せる。

この実証実験は2027年3月まで行われ、その後、商品化を目指したいとしている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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