岸田文雄首相は9日、フジテレビ系『日曜報道THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、科学技術立国に向け、政権の成長戦略の柱の一つ、人工知能(AI)の研究開発に大胆に予算配分していく考えを改めて強調した。

番組には、レギュラーコメンテーターの橋下徹氏(弁護士、元大阪府知事、元大阪市長)本人と、AIを活用して生成した橋下氏のデジタルクローンが登場。岸田首相とAI橋下クローンが会話をした。

番組サイドから簡潔な質問をするよう求められた岸田首相が「私のことは好きですか」と尋ねると、AI橋下クローンは真面目な表情のまま「大好きです」と応え、出演者の笑いを誘った。

橋下氏のデジタルクローンは、ITベンチャーの株式会社オルツが生成。番組の過去の放送での橋下氏の発言や、氏のブログ、著書などを読み込ませた。本物そっくりの完成までに本来は3カ月程度の学習期間が必要だが、番組に登場した橋下クローンは、生成開始からおよそ1週間しか経っておらず、完成度としては5%程度だという。それでも、岸田首相や梅津弥英子キャスターが話しかけると、一定レベルの会話が成立した。今後も自ら学習を続け、さらに本物の橋下氏そっくりのレベルにまで近づくことは可能だという。

以下、番組での主なやりとり。

梅津弥英子(キャスター、フジテレビアナウンサー):
新年早々、関東では4年ぶりの大雪になり、寒い日が続きましたが、今年も東京・お台場から熱い議論を松山俊行キャスターとお届けしたい。今年もレギュラーコメンテーターはこの方、橋下徹さん。明けましておめでとうございます。ドキドキしますね。

AI橋下徹デジタルクローン:
今年もよろしくお願いします。今年はどんな年になるんだろうね。私かなり気になる。

梅津キャスター:
おおっ。橋下さん、では、もう1問聞きます。お休みは取れましたか。

松山俊行(キャスター、フジテレビ政治部長・解説委員):
何か考えています。

AI橋下クローン:
はい、取れました。良かったですね。今週は忙しくなるらしいけど、大丈夫かな。僕は今、海外に居るんですけど、日本の方にメールしたらいいと思いますけどね。それで、何かあったんですか。

梅津キャスター:
今、海外にいる…。うーん、この辺りはあれですけれども…。ということで、今年はこのデジタルクローンの橋下さんとお届けするわけではなくて、ちゃんと人間の橋下さんもいらっしゃいます。よろしくお願いします。

橋下徹氏(弁護士、元大阪府知事、元大阪市長):
よろしくお願いします。だいたい表情が本当に人悪そうな顔していますね。

松山キャスター:
いっしょだと思いますけど。

橋下氏:
もうちょっと愛嬌を出せよ、本当にもう。

梅津キャスター:
これ、人口知能=AIを駆使して作られたデジタルクローンです。橋下さんが話したことなどを学習して、この表情なども徐々に作られていくということです。橋下さんが作り出したものですよ、これ。

橋下氏:
え、僕、本当にいつもはこんな表情してます?

梅津キャスター:
実は、学習には3カ月ほど掛かるところを1週間で放送本番にいま臨んでいるところなので、まだちょっと…。

橋下氏:
でも1週間でこれだけやり取りできるんですね。へえ。

梅津キャスター:
そうなんです。これ、プログラミングではなくて言葉を認識して、ちゃんと自分の中にあるもので会話をしているということです。

橋下氏:
遠隔でこの言葉を打っているのではなくて…。

梅津キャスター:
じゃない、じゃないです。

橋下氏:
自分で考えてやっている。

松山キャスター:
過去の発言、本、メルマガなどそういったものを全部叩き込んだ上でこういう発言になっているということです。

橋下氏:
放送禁止用語が出なくてよかった。

梅津キャスター:
正直、松山さんと私は相当どきどきしていました。

橋下氏:
あー、よかった。これ、本当に出たとこ勝負じゃないですか。生放送の番組で。

松山キャスター:
かなりリスキーです。

梅津キャスター:
なぜこんなデジタルクローンの橋下さんを年初に登場させたのかと言いますと、岸田政権がAI技術を成長戦略の柱として掲げているからです。今朝のゲストを紹介します。内閣総理大臣の岸田文雄さんです。

岸田文雄首相:
おはようございます。よろしくお願いいたします。

梅津キャスター:
岸田総理、デジタルクローン橋下さんの印象はいかがですか。

岸田首相:
最初、全然違和感なかったですね。

松山キャスター:
違和感なかったですか。

岸田首相:
うん、画面を見ててね。もちろんやり取りを見てて、ああ、なるほどなと思いましたけど。

橋下氏:
違和感ないということは、これだけ人が悪いというふうに総理にも思われているのか…。

岸田首相:
いやいや、表情が、表情が。

梅津キャスター:
ではこの後、岸田総理とクローンの橋下さんが生対談…、できるかな。

梅津キャスター:
新年最初のスタジオには岸田総理大臣にお越しいただきました。改めましてよろしくお願いします。

岸田首相:
よろしくお願いします。

梅津キャスター:
そして、レギュラーコメンテーターの橋下徹さん、そして、デジタルクローンの橋下さん。2人の橋下さんが今日はスタジオにいるということになるわけですが、改めまして、このデジタルクローンの橋下さんは、日曜報道の放送やユーチューブの動画、橋下さんのメールマガジンや書籍などを1週間学習してきました。放送に対応するということで、ツイッターはちょっとやめておきました。

松山キャスター:
過激な表現が多いから。

梅津キャスター:
本来ならば3カ月程度学習に要するということなのですが、1週間ということで完成度としてはまだ5%程度。ただ、5%でこれだけ受け答えすることができます。AIの橋下さんは、簡単な質問に答えるということで、岸田総理、何かAI橋下さんに聞いてみたいことがありますか。

岸田首相:
私のことは好きですか。

梅津キャスター:
ちょっとドキドキしますよね。どんな答えか。

橋下デジタルクローン:
はい、大好きです。さすが総裁選でも話題になっていました通り、あの美酒爛熟のワイン築き上げている様子などはテレビ番組的には全くダメで、批判の嵐でしたけどね。

梅津キャスター:
ちょっと(発言の)後半はあれですけれども…。

松山キャスター:
褒めているのか、けなしているのかよくわからないですね。

岸田首相:
いやいや、最初が大事です、最初が。

松山キャスター:
「大好きです」とは言っていましたね。

梅津キャスター:
いかがですか、「大好きです」という答えですが。

岸田首相:
ありがたいことです。

梅津キャスター:
これが本音かどうかでいうと、橋下さんどうなのですか。

橋下氏:
僕は罵られない限りは嫌いな人はいません。

梅津キャスター:
「大好き」とデジタルクローンは言い切っていますけれど。

橋下氏:
僕は梅津さんも、松山さんも大好きです。

松山キャスター:
何か、お酒の話が出てきたというのは、やはり岸田さんにはお酒というイメージがあるからなのですかね。

岸田首相:
うーん、どうなのでしょう。

橋下氏:
でも、最後の方(の発言)はちょっとわからない。

梅津キャスター:
そうですね、まだ学習中ということで…。

松山キャスター:
岸田政権はAIを成長戦略の重要な柱の一つとして掲げていますが、今後、こういうAIの技術をどのように発展させていきたいと考えていますか。

岸田首相:
そうですね、AIは、例えば、自動運転や遠隔医療などさまざまな分野で大きな役割を果してくれる。これからの戦略の柱として、国としても国家戦略をしっかり立てて進めなければいけない分野だと思っています。ぜひ予算もしっかり用意してAI分野をしっかり押し上げていきたい。