北海道札幌市の市営地下鉄が開業して2021年12月で50年を迎えた。

札幌オリンピックの開催を機に整備され、札幌市の発展を支えてきた地下鉄。沿線では新たな再開発の動きも出ていて、オリンピックの象徴的な場所「真駒内」地区でも計画を進める方針だ。

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3路線49駅、年間約2億人を運ぶ札幌市民の大動脈に

1971年12月16日、札幌市営地下鉄が南北線の北24条と真駒内の間で開業した。東京、大阪、名古屋に続く国内4番目の地下鉄だった。

札幌市営地下鉄が開業50周年を迎え、地下鉄大通駅ではこれまでの歩みを振り返るパネル展が開かれた。

地下鉄利用者:
50年も札幌市民の足となってきた歴史を感じます

セレモニーでは、コンビニエンスストアとコラボした記念商品である、地下鉄の車両の形のティッシュペーパーもお披露目された。

1971年、翌年に控えた札幌オリンピックに間に合うよう地下鉄南北線が開業。当初は北24条と真駒内間の12.1キロだった。

人口が増え、住宅地が郊外に広がったことなどから路線は拡大。東西線の琴似・白石間が開業したのち、南北線が麻生まで、東西線が新さっぽろまで延伸。その後、東豊線が栄町と豊水すすきの間で開業し、福住まで延伸。1999年に東西線が宮の沢まで延び、現在の形となった。

3路線49駅、総延長48キロ。年間約2億人を運ぶ札幌の大動脈だ。

沿線で進む再開発計画 商業施設や医療施設など建設

地下鉄の拡大とともに札幌の街は発展してきた。沿線では建物の老朽化などに伴い、数々の再開発が進んでいる。

東西線の東端、「新さっぽろ」駅周辺では大学と専門学校が開校。高層マンションやホテル、商業施設、医療施設の建設が進んでいる。


 

住民:
気に入っています。交通の便がいい。空港へ行くにも近いし、中心部に行くにも近い

住民:
大型のスーパーがありすごく便利です。病院もたくさんあるし

再開発が進む地域がある一方で、一歩遅れた地域も。

南北線の南端、「真駒内」。駅前には札幌オリンピック当時に建設された五輪団地が立ち並ぶが、人影はまばらだ。

真駒内を含む南区の人口は1998年から減り始め、現在は13万5000人あまりとなった。かつての商店街もシャッターが目立つ。

住民:
さびれるばかりです。真駒内は

今後、札幌市は真駒内地区の再開発を進める方針。駅前に広がる約5ヘクタールの土地に商業施設や医療施設、マンションなどを建設する計画だ。

「広場」か「道路」どちらを優先するか…分かれる意見

市が提示したプランは2つあった。

駅前を横切る道路をなくして「広場」で駅と施設をつなぐプランと、「道路を残し」交通網を生かすプラン。前に進み始めた再開発だが、意見が分かれている。

真駒内駅には南区や清田区などから1日1000便を超えるバスが乗り入れ、1万3000人が利用する。

道路をなくし「広場」をつくるプランを支持する人は、主にバスで駅にやってきて通勤通学で地下鉄を利用する人たちだった。一方で…。

真駒内地区連合会 横堀 道子 会長:
道路を遮断すると、防災面でも不便な街づくりになると考える。遮断というのは私たち連合会では大反対です

駅前の「道路を残す」プランを支持するのは、主に駅周辺の住民だった。

「広場」を作れば人の流れがスムーズになり、商業エリアへの出店を望む声が多くあがりそうな一方で、車で駅前を横切るのには遠回りに。「道路を維持」すると駅前をスムーズに横切れ防災面での機能も期待できるものの、商業エリアとのつながりが弱くなる面が指摘されている。

札幌市は広く意見を聞いて再開発の方向性を決める方針だ。

市が招致を目指す2030年の冬季オリンピックでは、真駒内の屋内競技場も改修される予定だ。ここは1972年のオリンピックでフィギュアスケートが行われ、多くの市民が熱くなった象徴的な場所でもある。

地下鉄開業50年の節目で各地で進む札幌の街の再開発。真駒内の街も大きく変わろうとしている。

(北海道文化放送)