もう一花咲かせる!

花屋さんの元を離れて「もう一花咲かせる」取り組みが始まっている。

東京・銀座のホテル「ハイアット セントリック 銀座 東京」に飾られたクリスマスツリー。

この記事の画像(13枚)

日付が書かれた数字の箱を開けていくアドベントカレンダー仕様のツリーは、ワインの輸入で使われる箱など廃材を利用したクリスマスツリーになっている。

ツリーに飾られている花は廃棄されるはずだった花を「ロスフラワー」と名前をつけて、装飾としてアップサイクルしたものだ。

東京・渋谷区のバラ専門店「アフリカローズ広尾本店」では、ケニアから直輸入している約25種類の色とりどりのバラを販売している。

常に新鮮なバラのみを販売しているため、仕入れてから日にちがたってしまうと通常販売ができなくなってしまうという。

こうしたバラはこれまで、店のディスプレーやアウトレットとしての販売を行ってきたが、廃棄せざるを得ないものもあった。

アフリカローズ ジェネラルマネジャー・海野真司さん:
廃棄をゼロにしようとすると、(店頭に商品が)なくなってしまうことがあるので、常に新鮮なバラをなるべく選んでいただくというところに重きを置いているので、ゼロに近づけたいけど、そこはなかなか花屋は難しい

こうした花屋を悩ませる廃棄の問題を解決すべく取り組む企業がある。

廃棄されてしまう花を「ロスフラワー」と名付け、提携している生花店から花を回収、アップサイクルを行っている企業「RIN」。

回収したロスフラワーはアトリエの一室で乾燥させ、ドライフラワーに。湿度管理が徹底されているため、鮮やかな色のまま乾燥させることができるという。

株式会社RIN・川又諒子チーフディレクター:
弊社はドライ室を専門に作っているので、ピンクの色味もピンクのまま。白いバラは白い花のままドライにすることが可能になっています。花びらが一輪一輪咲いている状態でドライにできるというのが特徴です

こうしてできたドライフラワーは、店舗の装飾やオブジェなどに生まれ変わり、捨てられるはずだった花が、再び人びとを楽しませることができる。

ロスフラワーを装飾の作品としてアップサイクルする「RIN」。目指すのは花の文化の普及だという。

株式会社RIN・川又諒子チーフディレクター:
花という文化がより多くの方に広まっていって楽しんでもらうことで、日の目を浴びることなく廃棄になる花が自然となくなっていくような世界を目指していけたら。わたしたちが装飾をいろいろなところにさせてもらうことで、目に入る機会をたくさん増やすことも大事ですし、日本では花を特別な日に贈るという印象が強いので、それが日常に一輪の花を添えるというのが当たり前になっていくといいなと思います。"ロスフラワー"という概念を作り出していますが、"ロスフラワー"という言葉自体が少なくなっていくといいなというのが願いです

(「Live News α」12月16日放送分)