温めるのはもちろん、熱を逃がす工夫も

寝るときに使う「毛布」と「羽毛布団」。体の上に毛布、その上に羽毛布団という方が多いかもしれないが、実は羽毛布団の上に毛布を掛けた方が、羽毛布団が体温を感知してふくらみ保温性を高めるため、暖かく寝られる。

さらに、体の下に毛布、身体の上に羽毛布団をかけると、より保温効果が上がる。

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こういった冬の快適な睡眠法を、睡眠が専門の「めいほう・睡眠めまいクリニック」の中山明峰院長に伺った。

最初のポイントは「首回りを冷やさない」こと。
毛布や羽毛布団などで胴体を暖かくしても、肩や首回りが冷えてしまうと2つのデメリットがある。

1つは僧帽筋が冷えてしまうこと。僧帽筋は普段は首を支えていて、寝るときにはリラックスさせたい筋肉で、ここが冷えることで乳酸が溜まり、肩コリの原因になる。

もう1つは、首を通り頭部に血液を送る頸動脈が冷えること。頸動脈は外気にさらされる位置にあるため、気温の影響を受けやすいのが特徴。首が冷えることで心臓からの温かい血液が冷やされ、体が芯まで暖まらなくなってしまう。

対策としては、首から肩回り・背中だけを覆う睡眠時の専用ダウンがおススメ。3~4000円ほどで購入でき、首回りを温めつつ寝苦しくもならない。

新しい物を購入せずに対策したい方は、ネックウォーマーを巻いたり、不要なトレーナーの下半分切って使うのも効果的だ。

次のポイントは「寒暖差アレルギー」に注意すること。
冬本番になると、布団の中は暖かいものの朝方には顔などが冷えて、体の中で極端な温度差が生じることがある。

すると温度を感じるセンサーの役割をしている「鼻」が温度差に過剰反応して、アレルギー症状のように鼻詰まりや鼻水が出たりしてしまう。夜中に起きたり、鼻の通りが悪くなって疲れが取れないなど、睡眠の質が悪くなってしまうこともあるとのこと。

対策は、寝室の温度を「少しだけ上げる」こと。目安としてはヒーターで20~24度程度の布団なしでは少し寒いくらいの室温にして、極端な温度差が生じないようにするのが良い。

最後は「手と足で熱を放出する」こと。
手や足は手汗をかくように、体の熱を放出して体温調整をする場所。寝る間も体温は上下しているので、手袋や靴下などを履いたまま寝ると、体温の調整ができなくなり寝苦くなったりしてしまう。

対策は、基本的に手や足に何もつけずに寝ること。冷え性などでどうしても使いたい方は、目の粗い素材のものなど通気性の良いものを使うようにするのが良い。

(東海テレビ)

東海テレビ
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