7月30日、ロシアのカムチャツカ半島付近で起きた地震では、津波は日本に長時間繰り返し押し寄せ、発生から半日以上たって、より高い津波が観測された場所もありました。今回の津波の特徴を、専門家に聞きました。
日本から1000キロ以上離れたカムチャツカ半島付近で発生した津波。
愛知県田原市赤羽根では、30日正午すぎに第一波が観測された後、30日午後10時54分に50センチの津波が観測されました。
同じく30日正午過ぎに第一波を観測した尾鷲市でも、午後2時19分に20センチ、午後5時22分に40センチを観測しました。
なぜ、遠く離れた場所の津波が繰り返し日本を襲ったのでしょうか?愛知工業大学の川崎浩司教授は、海底の地形を理由の1つにあげます。
愛知工業大学の川崎浩司教授:
「天皇海山列というのがあって、海の中の山になっていて、そこにぶつかって津波が反射してくる。それによっていくつかの波が重なって、非常に大きな津波が日本の方に襲ってきた」
北太平洋の西側、その海底6000メートルほどの場所に、高さ4000から5000メートルの山のような地形が広がる「天皇海山列」。ここにぶつかり反射した津波と、カムチャツカ半島付近からそのまま日本に到達した「2つの津波」があったといいます。さらに…。
川崎教授:
「水深が深い方が(流れが)速いので、また波が回ってくる。そのまま外へ逃げていくわけじゃなくて、反射してまた戻ってくる。何度も何度も襲ってきた」
後から押し寄せた津波が、先に日本に到達した津波を、日本海溝付近で押し戻す形になり、繰り返し観測されたと指摘します。
東海地方の沿岸部に出されていた津波注意報は、31日午前10時45分に解除されましたが、川崎教授はまだ注意が必要としています。
川崎教授:
「津波注意報は解除された地域なんですが、まだ津波の振動が残っているということは、津波の影響が水位に関しても残っていますし、流れに関してはかなり残っていると思いますので、完全に大丈夫だというわけではなくて、十分に留意していただきたいと思います」