北海道内で最も土地の値段が高い住宅地は、札幌市中央区の宮ヶ丘だ。今、この宮ヶ丘でマンションの建設が相次いでいる。地価や建築費が高騰する中、なぜなのだろうか?

「一等地」で進むマンション建設計画

道内の住宅地で最も土地の値段が高い、札幌市中央区宮ヶ丘。分譲マンションが4棟建設されようとしている。

三井不動産レジデンシャル・森賢志さん:
5000万円を下回る部屋から、2億4000万円台まで幅広く用意

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札幌市民:
手が届かないです

札幌市民:
全然手が出ない。いいなぁと憧れはありますけど

15年以上マンションが建設されてこなかったという宮ヶ丘で、今なぜ建設ラッシュ?

北海道神宮の道路を挟んで向かい側。札幌市の宮ヶ丘エリア。道内で、最も土地の値段が高い住宅街だ。

自然があふれ…地下鉄駅もほど近い距離の住宅地

住宅地は200m×350mほどの面積で、同じエリアには北海道神宮や円山公園など豊かな自然があり、地下鉄駅にも徒歩数分の距離だ。

2021年の地価調査では、1平方メートルあたり33万7000円の値をつけた土地があり、30年以上、道内の住宅地で最高価格を更新してきた。

今、この宮ヶ丘で分譲マンション4棟の建設が計画されている。そのうちの一つ、パークホームズ宮ヶ丘のモデルルームは…

三井不動産レジデンシャル・森賢志さん:
リビングダイニングは広さ17畳以上。角部屋は南側に窓があり、南からは円山方面、西側は大倉山、三角山方面が見られる

山々を見渡せる「抜群の眺望」

8階建てで、魅力は眺望。上の階では、神宮の森から宮の森、三角山方面を一望できる。

そのお値段は……?

三井不動産レジデンシャル・森賢志さん:
5000万円を下回る部屋から、2億4000万円台のお部屋まで幅広くご用意しています

最高は「2億4000万円台」

2億4000万円台は最上階の角部屋。3LDKで約180平方メートル。マンションは全部で27戸で、2LDKから3LDKまですべてが70平方メートル以上だ。

札幌市内の新築マンションは土地や建築費の価格高騰で、部屋を小さくして値段を抑える傾向にあるが、宮ヶ丘は別世界であった。

三井不動産レジデンシャル・森賢志さん:
"ゆとりある暮らし"ということで、広々とした間取りを用意しています

販売した部屋の約7割が成約済み。完成は2022年7月の予定だ。 

宮ヶ丘ではこのほか、9階建てで100戸が入る「シティテラス宮ケ丘」が建設中。

近くには8階建て14戸の「ル・サンク宮ヶ丘」、そして北海道神宮の真向かいでもマンション建設が計画中だ。
15年以上マンションが建設されてこなかったという宮ヶ丘で、いまなぜ開発計画が相次いでいるのだろうか。

相次ぐ開発計画の背景に何が?

北海道不動産鑑定士協会・斎藤武也副会長:
一番人気のあるところだから、買うと資産価値もある。(宮ヶ丘の建物が)耐用年数に来たりとか、建て替えの時期に来たと思う

「建て替え」の時期到来…一方で慎重論も

1972年の札幌冬季オリンピックのころにつくられた建物の老朽化で、市内では再開発が行われている。宮ヶ丘でも、新築マンション4棟のうち3棟が古い共同住宅を取り壊した場所だったのだ。

広くないエリアが、より一層のプレミア感につながっている宮ヶ丘。再開発はここでも例外ではない。

一方で、宮ヶ丘のマンション計画を一度見直そうという動きもある。北海道神宮の向かいにマンション計画をしている京阪電鉄不動産は、マンション需要を見極め、別の再開発も可能なのか検討しているということだ。

また、2017年に共同住宅だった土地を取得し「ル・サンク宮ヶ丘」の建設を計画しているNIPPO(ニッポ)では「着工時期は未定。状況を見極めている」としている。

北海道不動産鑑定士協会の斎藤 武也 副会長は「宮ヶ丘で"15年ぶり"の新築ということで需要が読みづらい。地下や建設費は高騰していて、"億超え"が売れ残ったら大変。他の売れ行きをみているのではないか」と話す。

(北海道文化放送)