子どもたちを安全な空の下で遊ばせたい

宜野湾市の緑ヶ丘保育園で米軍ヘリの部品が見つかった事故から、2021年12月7日で4年が経った。子どもたちを安全な空の下で遊ばせたいと、母親たちは声を上げ続けてきた。

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事故直後、母親たちは保育園上空の米軍機の飛行禁止を求めて12万人もの署名を集め、政府に訴えた。

防衛省職員:
米軍に対し安全面に最大限配慮するとともに…

外務省職員:
引き続き、米側に対し安全面に最大限配慮するとともに…

何も変わらなかったため、2018年も再度、陳情。

防衛省担当者:
米軍に対し安全面にも最大限配慮するとともに

チーム緑ヶ丘2017 与那城千恵美さん:
ちょっとショックすぎて言葉が出ないんですけども…。子どもたちを守らないといけない。その思いだけで必死に走ってきた結果が、さっきの政府交渉。本当にひどい…

増加する米軍機の離着陸回数に「不安でいっぱい」

毎年、陳情を続けてきて、2021年12月7日で4年。

チーム緑ヶ丘2017 宮城智子さん:
陳情に対する具体的な動きがみられず、子どもたちの命が軽視されたまま4年の月日が経とうとしています

この4年間、国はどう動いてきたのか。

沖縄防衛局 小野功雄局長:
米軍に対しましては、安全面に最大限配慮するとともに…

また、同じ回答が繰り返された。

チーム緑ヶ丘2017 宮城智子さん:
事故の時よりも外来機が多く飛んで来たり、戦闘機が飛んで来ていて、事故の時よりもひどくなっていると感じています

普天間基地における米軍機の離着陸回数は、事故のあった2017年度は1万3581回だったのが、2020年度は1万8967回と5000回あまり増えている。また外来機の固定翼機については、2017年度が237回だったのが2019年度、2020年度いずれも約10倍に増えている。

チーム緑ヶ丘2017 与那城千恵美さん:
事故当時よりひどくなっているし、水筒も落ちて来るし。私たちは不安でいっぱいなんですよ

沖縄防衛局 小野功雄局長:
米軍に対しましては、安全面に最大限配慮するとともに…

チーム緑ヶ丘2017 与那城千恵美さん:
私たちの子どもの命がかかっている危機感と、防衛局の危機感の差っていうんですかね。あまりにも違い過ぎて…

諦めるわけにはいかない。新たな団体作り前に進む

帰路につく与那城千恵美さんが口にしたのは…。

チーム緑ヶ丘2017 与那城千恵美さん:
子どもの上を飛んでいるのを見過ごすわけにはいかないし、娘に同じような難儀は絶対させないっていう思いがあるので

諦めるわけにはいかない…。母親たちの息の長い活動は人々の心を動かし、このほど全国の支援者がオンライン上に集った。

母親たちは、2021年11月23日にオスプレイから水筒が落下したのは、子どもを通わせる緑ヶ丘保育園と同じ地区であることなど現状を伝えた。この日、勇気を振り絞り初めて声をあげた母親もいた。

砂川有紀子さん:
恐怖に感じているのはみんな一緒だと思うんですよね。自分の子どもにもいつか起こるかもしれない。子どもが大きくなった時に、「お母さん何もしなかったの?こんなにひどい状態、見過ごしてたの?」って思われたくない

想いがつながっていく。だから、次の一歩を踏み出せる…。

チーム緑ヶ丘2017 与那城千恵美さん:
変えます。変えると思って毎日やっているので。出来ないと思ったことは一回もないです

事故から4年、保育園児だった子どもたちは成長し、近隣の小学校へ通っている。

本来、日米合意で飛行ルートから外れているはずの緑ヶ丘保育園。同じく4年前に窓が落下した普天間第二小学校などの上空へのアメリカ軍機の飛行禁止を求めて、母親たちは新たな団体を発足させ活動を前に進めていくことにしている。

(沖縄テレビ)

沖縄テレビ
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