「検察にウソをつかれ誘導された」 新証言が再審の焦点に
受託収賄などの罪で有罪が確定した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人前市長が、無罪を証明する新証言を得たとして、名古屋高裁に再審=裁判のやり直しを請求した。これまでの経緯を振り返る。

【2014年6月】
30万円の賄賂を受け取ったとして逮捕・起訴された藤井前市長だが、一貫して「現金はもらっていない」と無罪を主張し、裁判では「現金を渡した」とする業者の供述の信用性が問われた。
【2015年3月】
一審の名古屋地裁は「業者側の供述は経過に多々不自然な点があり、虚偽供述をする動機が存在した可能性もある」などとして、業者の供述の信用性を認めず「無罪」を言い渡した。
【2016年11月】
二審の名古屋高裁は、同じ証言にもかかわらず「具体的かつ詳細で、不合理な点は見当たらない」と「逆転有罪判決」を言い渡した。
この時、有罪のポイントとなったのが「贈賄業者の知人・男性2人の証言」。さらに最高裁も上告を退け、藤井前市長の有罪が確定した。
裁判所が信用性を確定した贈賄業者の知人男性2人の証言内容は、「藤井さんにいくら渡したかと聞いたら30万円と答えた」「お金を渡したいから貸してほしいと言われた」というもの。

この証言ついて弁護士が改めて本人に確認したところ、「検察にウソをつかれ誘導された」「他の事件での罪を軽くして欲しいという贈賄業者の弁護士に仕込まれた」などとして証言を否定したため、これを新証拠に再審を請求することになった。
今後、名古屋高裁の審理でこの新たな証言が「新証拠」となり、裁判のやり直し・再審を認められるのかが焦点となる。
(東海テレビ)