「エシカル消費」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
「エシカル」とは英語で「倫理的・道徳的」という意味で、値段や機能だけでなく、環境や社会にも配慮している商品やサービスを選ぼうという取り組みのこと。
この「エシカル消費」に取り組み、100年着ることを目指して作られたダウンジャケットがある。

厳選された県産素材を使用

商品を開発したのは、岩手・盛岡市の寝具メーカー「やよいディライト」。

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プロジェクトリーダーを務めた重泉愛さんに、商品を見せてもらった。

やよいディライト 重泉愛さん:
こちらが「IWATE DOWN」です。弊社は元々寝具の製造・リフォームを行っています。わたしたちが持っている技術を生かして、今回ダウンジャケットを開発した

商品の開発にかかった期間は、なんと2年以上。

「岩手」の名前が付いているだけあり、素材も厳選された県産のものが使われている。

やよいディライト 重泉愛さん:
ダウンというのは水鳥の胸の毛のこと。田野畑村の清潔な農場で飼育された、岩手ガモの羽毛を使用している

本来は食肉用に育てられているため、羽毛は廃棄されていたという。
“命を無駄にしない”、新たな使い道になっているうえ、その品質も抜群。

ダウンには「フィルパワー」という、どれだけ空気を含むかを示す数値がある。
この数値は保温性にも直結するが、高品質とされる基準が700であるのに対し、「IWATE DOWN」は810と大きく上回っている。

やよいディライト 重泉愛さん:
ぜひ直接着て、この暖かさを体感してみてください

西島芽アナウンサー:
見た目もおしゃれでかわいい。すごく暖かい、そして軽い。軽いが、弾力はすごくあるので暖かいです

また、縫製は1着1着、宮古市の工場で行われている。
海外での製造に比べコストはかさむものの、原料から製造までを国内で行い管理することで、安全性も折り紙付き。

やよいディライト 重泉愛さん:
現在流通しているもののほとんどが、いつ・どこで・誰が作ったかわからないものが多い。1点1点丁寧に手作業で作っているからこそ、高品質で安全安心な商品に仕上がった

受け継がれる商品で「エシカル消費」をより多くの人へ

しかし、そもそもなぜ寝具メーカーがダウンジャケットを開発したのか。
背景にはファッション業界が抱える課題がある。
環境省によると、国内での衣服の供給量は、1990年には20億点だったが、2019年には35億点と、約1.8倍にもなっている。

一方で、服を手放す際は、7割はごみとして捨てられていて、年間48万トンもの服が焼却や埋め立てにより処分されている。

長く大切に着られる服を選ぶことは、身近な環境問題への取り組みなのだ。
やよいディライトでは、親から子、そして孫へと受け継がれるような商品を目指したと話す。

やよいディライト 重泉愛さん:
羽毛の品質に、職人の熟練の技術も組み合わさり、本当に100年使える。購入した人にも100年使いたいと思ってもらえる商品になっている。長く皆さんに使ってもらいたい

ダウンの裏地には、こうした思いに共感する県内在住のアーティストのデザインをプリントした。

現代アート作家(雫石町出身) 松嶺貴幸さん:
爆竹で絵画を作っている。爆発の勢いで打ち破る、新しく殻を破って、挑戦していくという思いを作品に込めている。ダウンを着る人にも共感してもらい、元気を出してほしい

今回クラウドファンディングで購入者を募っているが、すでに目標額の20倍以上が集まり、スタートは順調。

西島芽アナウンサー:
まさに未来につながる商品ですね!

やよいディライト 重泉愛さん:
このダウンジャケットで、「エシカル消費」が、より多くの皆さんに広がってくれることを願っています

(岩手めんこいテレビ)