「スパイクたんぱく質」に32もの変異を確認

新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」が広がっている。感染症専門医で愛知県がんセンターの伊東直哉医師に、感染力やワクチンの効果について聞いた。

【感染力】
南アフリカの一部地域でデルタ株からの急速な置き換わりが起きていることから、「デルタ株よりも感染力が強くなっている可能性がある」とのこと。

11月に入って南アフリカのゴーテンという地域で見つかったコロナウイルスの90%が、オミクロン株だったという情報もある。特に特徴的な症状はなく、無症状の人もいるという。

【ワクチンの効果】
効果を低下させ、再感染リスクを高める可能性がある。

ワクチンの効果は時間とともに低下するため、はっきりとした関連はわかっていないが、実際に香港やイタリアではワクチン接種者へのオミクロン株の感染が確認されている。

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オミクロン株は体内に入り込む際、人の細胞にくっつく役割の「スパイクたんぱく質」に32もの変異が確認され、従来のワクチンの効果を弱めてしまうことが懸念されている。

ただ、効果が低下する可能性はあるものの、ワクチン自体は有効である可能性が高いので、伊東医師は3回目接種を進めていく必要性を訴えている。

まだわからない部分も多いオミクロン株への対策として、岸田首相は全世界を対象に11月30日からの外国人の新規入国停止を決定した。

伊東医師は水際対策強化の必要性を訴えながら、「積極的な調査をしてオミクロンを見つけ、小さな流行の範囲で抑え込む方針が大切」だとしている。

(東海テレビ)

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