枝野代表が辞任した立憲民主党では、11月30日に新しい代表が決まる。日本共産党との共闘関係に変化は生じるのか。一方、日本維新の会と国民民主党の幹部は会談を行い、連携方針を確認。臨時国会での本格論戦に野党はどう臨むのか。

BSフジLIVE「プライムニュース」では、野党4党の幹部を招き話をうかがった。

立憲・共産連携は代表戦の争点となるか、共闘は続くのか

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新美有加キャスター:
立憲民主党の代表選が今後の野党にどのような影響を及ぼすのか。11月19日に告示され11月30日が投開票日。複数候補が立候補を表明しています。

反町理キャスター:
総選挙の敗因分析、特に共産との連携の評価を検証し尽くした上で代表選だと、長妻さんや福山幹事長からも聞いた。もう結論は出ているんですか。

長妻昭 立憲民主党 副代表
長妻昭 立憲民主党 副代表

長妻昭 立憲民主党 副代表:
今分析しています。日程的に完全なものは間に合わないが、各陣営で基礎データは共有しており、代表選で論戦が出てくると思います。

反町理キャスター:
立憲は小選挙区では9議席増やし、比例で23議席減。「小選挙区で増やしたのは共産党のおかげ、比例で減らしたのは自爆でしょ」と小池さんは思ってません? 

小池晃 日本共産党 書記局長:
それは立憲さんが考えること。全体として協力して選挙を戦ったことは今回が初めて。私どもの議席も減らしてしまったことには、本当に責任を痛感している。しかし、やはり小選挙区では1つに絞って戦わなければ、自民党政治を終わりにすることはできない。チャレンジとしては大きな成果があった。どういう政権を作るのか、その魅力や協力することの大義を国民にしっかり伝える点で不十分な点はあった。それを乗り越えてさらに前に進んでいこうと。

小池晃 日本共産党 書記局長
小池晃 日本共産党 書記局長

反町理キャスター:
首班指名投票では、枝野前代表の名前を書いたが。

小池晃 日本共産党 書記局長:
これは立憲との関係ではなく、この選挙で僕らは、野党で共闘して政権を作ろうということを国民に約束したわけだから。

反町理キャスター:
馬場さんは立憲・共産の連携をどうご覧になっていましたか。

馬場伸幸 日本維新の会 幹事長:
議席は減るだろうと思っていた。共産と組む立憲には今回は比例票は控えておこう、自民党にはお灸を、消去法的に維新だと判断をされた方が多いというのは事実だと思います。

反町理キャスター:
大塚さんからの評価は。

大塚耕平 国民民主党 代表代行
大塚耕平 国民民主党 代表代行

大塚耕平 国民民主党 代表代行:
選挙前から議論を聞き、2つ重要な視点が欠けていると思いました。ひとつは、政治学でいう「中位投票者定理」。中位投票者とは真ん中の政策を選択する人という意味だが、どんな政策でも支持は釣り鐘状の分布になる。小選挙区制のシステム上、一本化が大事というのは一面では真理だが、その主張が裾野の方にあれば支持されない。

反町理キャスター:
立憲・共産の組み合わせはその真ん中の分厚いところではなく、端に寄っていった連携に見えると?

大塚耕平 国民民主党 代表代行:
従来よりは裾野にいっている。これが1点目。2点目は、2009年型の政権交代を目指す政治構造は終わった、なぜならわが国を取り巻く環境が以降12年で激変しているから、ということ。この2つの観点で、比例票が立憲・共産に集まらず維新に行ったのだと思います。

目の前で現に我が国は動いていて、過去から連続したここに政策や経済の現実がある。一足飛びにどこかに行くことはできない。有権者の皆さんが選択できるようにしてあげるのが政治家の仕事。主張はある程度、中道のあたりにいないと。

維新代表選の見通しは不透明。国会議員団代表も交代の可能性あり

新美有加キャスター:
日本維新の会の代表選について。11月27日に臨時党大会を開き、代表選を実施するかどうかを決める方針。実施されない場合は松井代表の続投、行われる場合は松井代表と吉村副代表は不出馬の意向。馬場さん、見通しは。

馬場伸幸 日本維新の会 幹事長:
投票するまで全くわかりません。わが党は国政選挙か統一地方選挙の後、選挙を総括する意味で投票を行うという理念。総選挙を振り返って、良かったから現執行部続投だという方も、数が増えた勢いで思い切ってもっと高みを目指そうという方もいる。

反町理キャスター:
松井代表は国会の党首討論には出ない。現状で出るのは、国会議員団の代表兼共同代表の片山虎之助氏。これは変わるのか。党首討論において岸田首相に一対一で向き合う人となり、参院選を意識しても非常に重要な人事。

馬場伸幸 日本維新の会 幹事長
馬場伸幸 日本維新の会 幹事長

馬場伸幸 日本維新の会 幹事長:
変わる可能性もある。国会議員団の代表選挙をやるかどうかも皆で決めること。

反町理キャスター:
馬場さんが代表になれ、という声も届きません?

馬場伸幸 日本維新の会 幹事長:
届いてないですよ。その手には乗りません(笑)。

維新と国民の接近が、対自民の国対交渉に影響する可能性も

新美有加キャスター:
日本維新の会が国民民主党と接近しているという話もあります。11月9日、日本維新の会と国民民主党の幹部が会談し、維新は議員定数や報酬の削減などでの連携を求めました。一方、国民はガソリン価格の上昇時に課税を停止する法案への協力を呼びかけ、臨時国会に共同提出することで一致。大塚さん、国民としてはこの先、維新との連携強化を進めていく?

大塚耕平 国民民主党 代表代行:
維新だけではなく、各党と等距離でお付き合いする。それぞれの課題や法案について、是々非々で一緒にやれるかお伺いする。ガソリンの話もその延長線上。私の聞く限り、呼びかけた結果、乗ってくださったのが維新と聞いています。

反町理キャスター:
ガソリン価格の話、「トリガー条項」ですよね。立憲・共産は乗らなかった?

長妻昭 立憲民主党 副代表:
今議論中です。個人的には前向きに議論すべきだと思う。

小池晃 日本共産党 書記局長:
声がかかったと僕は聞いていないが、あり得る。政府が言う元売りへの5円補填はちょっとショボすぎる。

反町理キャスター:
今後の国会の動きはどうなるのか。今までの国会は、自民と立憲の国対委員長の間で法案の処理や日程の調整も行われてきた。だが今回、国民はこの立憲・共産の国会対策グループから出るという話。維新も入っていなかった。維新・国民が一体となって、自民との間で第二与野党国対みたいなものをやる気持ちはあるんですか。

馬場伸幸 日本維新の会 幹事長:
国会の悪しきルールで、野党第一党が与党側と責任を持って協議をするというが、我々は野党第一党にすべてを信任したことは一度もない。任せられないと思っている。我々の法案の取り扱い次第では、与党側に強く申し上げなければならない時が来るかもしれない。

大塚耕平 国民民主党 代表代行:
政党ですから、単独であることが大前提。我々には、審議拒否や牛歩はやめよう、国会に対する責任を果たすために議論すべきという意見の人がかなりいる。だがこの数年は、野党国対の枠組みの中で、いかがなものかという国会対応が重なってきた。党の原点に立ち戻ると、維新と一緒に国会交渉をやることは論理的にあり得る。

長妻昭 立憲民主党 副代表:
そうなると与党は喜ぶ。2021年6月から事実上、国会が開かれていない。維新・国民は今の与党の現状を維持しながら提案をして、政策を進めていくと私には見える。ますます国会が機能不全にならないよう注意しなければ。

維新・国民は憲法審査会の毎週開催を要求。憲法改正論議は進むか

新美有加キャスター:
憲法改正論議について。維新・国民の幹部による会談で、憲法審査会を毎週開催するよう与党に求め、憲法改正に向けた議論を加速させる方向で一致。今後どこから手をつけていくべきと思われますか。

大塚耕平 国民民主党 代表代行:
一度も憲法を改正したことがない国。最初は全党が一致できることからやればどうか。長妻さんも国会がなかなか開かれない話をされたが、例えば憲法53条(国会の臨時会の規定)などから堂々と議論していく。憲法は不磨の大典でないことは明確にすべき。

小池晃 日本共産党 書記局長:
共同通信の世論調査で、衆院選で重視することについて憲法改正は常に最下位。憲法を生かした政治が必要で、変える必要はさらさらない。国民・維新が改憲に進んでいく方向に大きな懸念がある。自民が考えているのは9条、緊急事態条項。何の制約もなく海外で武力行使できる国にすることには、我々は絶対に反対という立場。

馬場伸幸 日本維新の会 幹事長:
ずっと憲法審査会の開催を邪魔しているのは立憲・共産。一方で自民も、数はいるのに実際の議論をやらない。小池さんがおっしゃった、国民が憲法改正に興味がないことは当たり前。どこにも憲法論議がないから。だから定例日に憲法審査会を開いて議論をすること。そして、国民投票の時期も明確に。これを国民に問いかければ議論が進んでいく。

長妻昭 立憲民主党 副代表:
我々も相当、党内で議論してペーパーをまとめた。総理が自由に有利なときに解散できる国などなく、解散権の制約が要る。また、国民投票法の中でのCM規制。3年以内にCM規制の議論をして結論を得ることをようやく与党が飲んだ。ただ、私は非常にいい憲法だからこそ、これまで変える必要がなかったと考える。立憲主義を守るためにも憲法はむやみに変える必要はない。注意深く議論し、国民の意見を都度聞きながら議論を始めるという考え方です。

BSフジLIVE「プライムニュース」11月17日放送