「新時代共創内閣」13人が初入閣

岸田首相:
第100代内閣総理大臣に指名されました岸田文雄です。私の内閣ではまず喫緊かつ最優先の課題であります新型コロナ対策に万全を期してまいります。

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課題山積の中、今夜正式に船出した岸田新内閣。
第100代の総理大臣として、目指す内閣の姿をこう表現した。

岸田首相:
私の内閣は新時代をともに創る「新時代共創内閣」です。新しい時代をみなさんとともに創ってまいります。

「新時代共創内閣」の顔ぶれは、初入閣組が20人中13人と実に6割以上を占めた。

注目は、経済の面で日本企業や国民を守るため新設された「経済安全保障担当」で初入閣した小林鷹之大臣。46歳、当選3回での抜擢だ。

小林鷹之 経済安保相:
国の独立、生存そして繁栄を経済面から確保していく。このことの重要性は我が国にとっても、ほかの国にも重要。全力で取り組んでいきたい。

総選挙は31日投開票

一方、岸田首相は会見で、成長と分配の好循環を実現するため、政府に「新しい資本主義実現会議」を設立することを表明。

また、新型コロナ対策について「弱い立場の方々に個別に現金給付を行うことは考えたい」と述べた。

そして、焦点の衆議院の解散・総選挙について、今月14日解散に踏み切り、総選挙は19日に公示、31日に投開票とする方針を正式に表明した。

岸田首相:
一刻も早く大型で思い切ったコロナ対策、そして経済対策を実現してまいりたい。国民の皆さまにこの岸田に任せていただけるのかどうか判断いただき、国民の信任を背景に信頼と共感の政治を前面に動かしていきたい。

野党は強く反発

立憲民主党・枝野代表:
我々が求めていた予算委員会を開かないどころか、今月31日に投票日を迎える日程で総選挙を行うという方針だそうです。どこが人の話を聞くんでしょうか。

共産党・志位委員長:
予算委員会もやらずに選挙。議論を封殺したまま選挙をやると。あまりに乱暴なやり方だと思います。

記者からの「新時代を共に創る共創内閣は抽象的で国民に伝わりにくいのでは?」という質問に対しては・・・

岸田首相:
コロナ禍でバラバラになりかけている国民の心をしっかり一つにして、様々な課題を乗り越えていく。しっかりと説明を加えながら、理解いただけるように努力していきたい。

岸田首相は8日に所信表明演説を行い、11日から13日の日程で各党の代表質問に臨む見通しだ。

「悪くしない」経済対策を

三田友梨佳キャスター:
市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに聞きます。
岸田新総理に何を求めますか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
しっかりとした感染対策と共にゆっくりと経済を回していくことです。
数十兆円の大規模な経済対策を打ち出す予定ですが、いまは「経済を良くする」のではなく「経済を悪くしない」方向性に使うべきです。

いきなりアクセルを全開にして企業側がモノやサービスを提供する準備が整わないのに消費が盛り上がってしまうと需給のバランスが崩れ、人々の給料は上がらないのにモノやサービスの値段だけが上がっていきかねません。

傷ついた経済を癒やし緩やかに経済を立ち上げることに努めてほしいです。

三田キャスター:
岸田新総理は自分の特技は「人の話をよく聞くこと」と話されています。
岸田さんには、どんな声に耳を傾けて欲しいですか?

馬渕磨理子さん:
何より日本経済の回復を望む「市場の声」を聞いて欲しいです。
株価が下がれば企業経営者のマインドも悪化し、設備投資や雇用を抑えることに繋がりかねません。

海外の機関投資家の間では、日本がまた「短命の総理のサイクルに入ったのではないか」との懸念もあります。

感染拡大を抑制しながら景気を回復に導き、そして腰を据えて改革にあたることを市場は望んでいます。

三田キャスター:
そうした声に耳を傾けてそこからいかに決断力を持ってリーダーシップを発揮できるのか、岸田総理の手腕が問われます。

(「Live News α」10月4日放送分)